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2024.01.24

WING

小惑星「リュウグウ」岩石試料に彗星塵衝突痕跡

 有機物含む塵が「リュウグウ」に供給された可能性

 

 東北大学大学院、立命館大学、京都大学、そして東京大学などの研究グループは、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から採取した岩石粒子の表面に、彗星の塵が衝突した痕跡を発見したことを発表した。
 この痕跡が示唆するものとしては、太陽系遠方から有機物を含む彗星の塵が、「リュウグウ」に供給されていた可能性だと説明した。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「はやぶさ2」は、「リュウグウ」表層物質を地球に持ち帰ることに成功した。目下、その物質の分析作業が進められているが、小惑星の表面は大気に覆われていないため、太陽風や宇宙塵が降り注ぎ、小惑星表面の物質の化学組成を変化させる、いわゆる「宇宙風化」という現象が起こる。
 研究グループが「リュウグウ」の岩石試料を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面に小さな宇宙の塵が衝突してできた大きさ5~20 マイクロメートル程度の溶融物を複数発見した。

 

※画像=リュウグウ粒子表面に見つかった溶融物(左)。丸みを帯びており、水滴のような見かけをしている。(右)溶融物断面の CT 像。多くの気泡を含んでいることがわかる(提供:東北大)

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