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水中無人機から水上無人機に音響通信の維持を確認
艦装研、並走航走水中リアルタイム通信を試験
防衛装備庁艦船装備研究所は先頃、水中無人機(UUV)から水上無人機(USV)を中継して母船に海底探査情報の水中リアルタイム通信のために、UUVとUSVが通信を継続できる位置を維持し続ける並走航走維持に成功したことを「防衛装備庁技術シンポジウム2018」で発表した。これはUUVをマスターとして、その位置情報を航法装置(INS)とUSBL(超短基線)航法の2種類でUSVに送り、より誤差の少ない位置情報を求め、これを基にUUVの予測到達位置を求め、その予測位置に向けてUSVが航行する。実測値では水平距離でUSVが常にUUVの位置から20メートル以内に位置し続けることが実証されている。
水中リアルタイム通信では、UUVがサイドスキャン・ソーナー(SSS)や前方画像ソーナーなどの水中センサの画像データを、リアルタイムに送信することが求められ、そのためには指向性の高い音響通信が必要となる。USVから見て下方45度の範囲内で、約200メートル以内の距離にUUVが位置するよう並走することが必要という。そうすれば画像データを30秒間隔で伝送することができる。通常のUUVの制御用であれば、0.5kbps程度の低速通信では指向性は求められず、常に20メートル以上の深度に位置すれば通信は可能となる。
※写真=無人水中機(UUV)の模型
※写真=無人水上機(USV)の模型