記事検索はこちらで→
2024.01.31

WING

横浜市大、ライオンらと宇宙飛行士の血清プロテオーム解析

 長期宇宙滞在が及ぼす影響や生体適応メカニズムに新たな知見

 横浜市立大学先端医科学研究センター、ライオンらの研究グループが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などとの共同研究で、国際宇宙ステーション(ISS)での長期宇宙滞在ミッションに携わった宇宙飛行士の血清プロテオーム大規模解析を行った。その結果、長期宇宙滞在ミッションに伴い変動するタンパク質を明らかにし、長期間の軌道上ISS滞在が生体内に及ぼす影響や生体内適応メカニズムを理解するための新たな知見を得ることに成功したことを明らかにした。
 宇宙空間では、微小重力、宇宙放射線、高濃度二酸化炭素、閉鎖環境に伴うストレスなど、さまざまな要因によって健康な組織の機能が低下することがあり、ISSに滞在する多くの宇宙飛行士は、長期宇宙滞在ミッションに伴う様々なリスクに晒されるという。
 しかし、宇宙飛行士の身体内において誘発される生物学的適応に関連するメカニズムは、ほとんど解明されていないことから、宇宙飛行がヒト体内に及ぼす影響を分子レベルで理解し、微小重力等への適応反応を抑制する対策を講じることは、長期の宇宙飛行ののち、地球外惑星に着陸するミッションを成功させるためにも不可欠となっている。