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2018.11.28

ウイングトラベル

トルコ文化観光大臣が初来日、観光重視の姿勢

インフラ整備、宣伝強化へ向け基金設立、投資を誘致

 トルコ共和国より、メフメット・ヌーリ・エルソイ文化観光大臣が今年7月の就任後初めて来日、業界メディアとの懇親の場を設けた。大臣は観光セクターからの出身で、今後は観光分野の施策を強化する方針。その一環として、基金「Turkish Tourism Development Fund」を設立、ハード/ソフト両面での観光インフラの整備に加え、日本を含む海外マーケットへ向けた宣伝強化に充てるため、国内外からの投資を積極的に誘致する姿勢を見せた。
 エルソイ大臣は、「まずは観光業の構造改革を実施して、トルコが有する豊富な歴史遺産を活かし、トルコを観光業界におけるふさわしい位置に導くことに努めたい」と挨拶。基金設立へ向け、文化観光省の予算を投入するほか、国内外の観光セクターからの参加を広く募る。初年度の基金額は、年間1億5000米ドルを計画、5年後には「年間5億米ドルまで拡大していく」計画だ。
 基金の資金使途については、「全体の7割が宣伝費、残り3割が観光インフラ投資に充てる」考え。宣伝予算は10倍近くに増加することとなり、「これまで各省や民間でそれぞれ行い、一貫性がなかった。今後は一貫性を持ってトルコの観光の魅力をアピールしていく」という。具体的にはPR活動のほか、視察旅行の強化も図る。
 また、観光インフラ投資においては、ハード/ソフト両面で強化。ハード面では、ゴルフなどのスポーツやMICE需要に対応した通年観光可能な設備への投資を進める。エルソイ大臣は、「年間通じて観光できるほか、雇用面でも安定的な供給を確保できるようになる」と述べ、その意義を強調した。
 ソフト面では、人材育成を目的に専門学校の設立を計画。「文部省との連携を図りながら来年以降まずは11校を指定したい」考えで、外国語の取得や、ホテルなど民間セクターの協力によるインターンシップといった実践的な内容を充実させていくという。
 ほかにも考古学の遺跡調査の拡充、さらに日本を含む国内外からの観光インフラへの投資も積極的に呼びかけていく。大臣は「基金を活かして、海外からの投資をトルコに誘致していきたい。日本に再度訪問する際には、具体的なプロジェクト、投資の案件を紹介する具体的なプレゼンテーションを行いたい」と述べ、投資誘致への強い意欲を見せた。

 

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※写真=トルコ共和国メフメット・ヌーリ・エルソイ文化観光大臣