WING
アジア航空機サプライチェーンフォーラム開催
巨大化する航空機器分野、アジア各国の振興策見える
経済産業省、全国航空機クラスター・ネットワーク、JETROの共催により「アジア航空機サプライチェーンフォーラム」が11月27日、東京ビッグサイトで開催され、タイ、マレーシア政府の航空機産業振興政策、ボーイング民間航空機より機体メーカー側の対応、日機装よりベトナムでの航空機部品事業の実情、更に航空機器大手のコリンズ・エアロスペース(11月26日合併発足)およびサフラン、インドのタタ・エアロスペース、台湾航空宇宙工業会の4者によるパネルディスカッションと多彩な内容で、アジアの航空機分野のサプライチェーンの現況と課題を多様な観点から知ることができる機会となった。主催者からは28日から開催のJA2018TOKYOと合せた交流の拡大を期待する旨のメーッセージもあった。
従来に比べて特長的であったのは、航空機器分野で一層の統合化の動きが非常にホットな形で見られたことだ。パネルディスカッションに参加したコリンズ・エアロスペースは、前日にUTCエアロスペース・システムズとロックウェル・コリンズが合併して発足したもので、一層大きなスーパー航空機器メーカーの出現に、モデレーターを務めた萩本範文氏(前多摩川精機社長)も興奮気味に紹介していた。同じくサフランからは旅客機座席や複合材部品を製造しているゾディアックを傘下に収めたとの説明もあり、このほぼ同規模の米欧二大グループの出現には驚かざるを得ないと感じられた。サプライチェーンへの参加では機体メーカーだけでなく、大手航空機器メーカーの存在も重要なターゲットであることが印象づけられた。
※写真1=フォーラムの前半、政府セッションで講演したマレーシア投資開発庁東京事務所長のリドゥアン・ラフマン氏(左)、タイ工業省副大臣のサンディ・キラナンド氏(中央)、経済産業省大臣官房審議官の広瀬直氏
※写真2=ベトナム第2工場竣工を説明する日機装の甲斐俊彦社長
※写真3=パネルディスカッションで、熱弁を振るう台湾のティーリン・エン氏(右)。左よりモデレーターの萩本範文氏、コリンズのグレゴリー・ガーンハード氏、サフランのラファエル・オリバー氏