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2024.02.22

WING

ENEOS、30年以降に年50~70万kl+αのSAF供給

宍戸部長「国内需要の半分の供給体制確立」を

 石油元売り大手ENEOSのバイオ燃料部の宍倉尚部長は2月21日、同社による持続可能な航空燃料(SAF)供給について、2025年~30年の中期的な視点では年間15万キロリットル以上を、2030年以降の長期的には年間50~70万キロリットル以上を供給することを目指す計画を明らかにした。
 これは同日、都内で国土交通省と資源エネルギー庁が主催して開催された「空のカーボンニュートラルシンポジウム」に登壇した宍戸部長が明らかにしたもの。
 資源エネルギー庁や国土交通省の調べでは、2025年~30年にかけて国内のSAF需要は年30万キロリットル、30年以降は171万キロリットルと試算されている。
 宍戸部長は「国内最大の供給体制を確立するため、長期にわたって様々な事業を展開する。規模を拡大していくことには時間を要するが、長期的な視野を持って取り組みを進めていきたい」とコメント。「国内需要のうち、半分ほどをカバーする供給体制を整えていく」として、日本国内におけるSAFの安定供給に向けて生産の拡大を図っていく方針を示した。
 そうしたなか、SAFの国内生産拠点としては、同社の和歌山製油所の一部を改修してSAFの生産に当てる。この事業はフランスのトタルエナジーズと共同で検討を進めているもの。その製造設備1号機は25年~30年の間に運転を開始する予定で、ENEOSとしては「原料調達、製造、販売まで一貫した事業体制を確立するほか、次世代燃料の製造・販売、新規原料開発にも取り組む」方針だ。

※この記事の概要
・カギ握る原料調達は如何に?
・自治体・事業者と協力、SAF普及向けた草の根活動
 循環型社会構築向けたENEOSの取り組み   など