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2024.03.03

WING

NAA田村社長、全国より約1割少ない成田出国

 路線の羽田移設が要因に、便の回復とともに解消へ

 成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は2月29日の会見で、成田空港を出発するアウトバウンドが伸び悩んでいる理由の一つとして、本邦航空会社が2023年夏ダイヤから成田発着路線の一部を「羽田空港へ移設した影響を受けた」という見解を示した。
 NAAが発表した1月の空港実績では、日本人旅客が54万166人と、前年同月よりも46%増となったものの、コロナ禍前の2019年同月比では52%減となった。日本全体で見れば、出国者数は緩やかながらも現在まで6割程度まで回復している状況。成田ではそれよりも約1割少ない水準にとどまるかたちとなっており、それが「まさにその(羽田移設)影響」だと説明した。
 2023年夏ダイヤには、全日本空輸(ANA)でコロナ禍により一時的に成田空港発着で運航していた一部路線を需要の回復に伴って羽田発着へ戻した。対象はシアトル、ワシントン、ヒューストン、バンクーバー線で、一時的に成田で運航していたものだったが、このときの影響が今も続いたことになる。