WING
エアバスCEO、多分野で日本産業界と連携深堀を強調
「日本最大手ロボメーカーと来年から協業開始」を明らかに
エアバスのトム・エンダース最高経営責任者(CEO)が来日して11月29日、東京大学の本郷キャンパスで学生に向けて講演した。この講演でエンダースCEOは、「エアバスはパイオニアであり続けたい」とし、そのためにも「エアバスは日本の様々なプレイヤーとチームを組んでいきたい」と、日本との産業連携を加速していきたいとの意向を表明。エアバス機が日本の空で存在感を高めていることや共同研究が加速している昨今の日エアバス連携の間に吹く“追い風”を踏まえ、日エアバス連携を一気に上昇気流に乗せていく方針を示した。なかでもエンダースCEOはロボティクス分野における日本の技術に言及し、「日本の最大手のロボットメーカーと協業を開始する」ことを明らかにした。エンダースCEOは社名こそ明かさなかったものの、「来年から開始する」としており、今後の動向が注目されそうだ。
エンダースCEOは「ロボティクス」、イノベーションやベンチャーに対する「資本投資」、「デジタル化」、「宇宙」、そして都市の移動に革命をもたらすと期待されている「アーバン・エア・モビリティ」(UAM)といった5つのキーワードを挙げ、こうした分野で日本の産業界などとのパートナーシップ関係を深堀していく考えを示した。なお、この講演は前日に東京大学大学院工学系研究科との間で「エアバス・グローバルユニバーシティ・パートナーシップ・プログラム」(AGUPP)を締結したことを記念したもので、学生たちに対して、「大きな夢を抱くこと」やその夢を「経済的な側面からも見ること」、そして「学び続ける」ことの重要性を訴えた。
※写真=東京大学本郷キャンパスで講演するトム・エンダースCEO。エンダースCEOは来年4月に退任することが決まっていることから、日本での講演機会はこれが最後となりそうだ