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2018.12.03

WING

JAXA、革新的衛星技術実証1号を1月17日打上げ

JAXA初の民間委託開発・製造・運用の衛星に

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、イプシロン4号機を用いた革新的衛星技術実証1号機の打ち上げを、来年1月17日に決定した。内之浦宇宙空間観測所の射場において、9時50分20秒から9時59分37秒を打ち上げ予定時間に定めた。ちなみに、この革新的衛星技術実証1号機はアクセルスペースが開発・製造・運用を担当。JAXAが初めてベンチャー企業に衛星の開発・製造・運用を委託して開発した衛星だ。
 イプシロン4号機は、第3段の上に衛星の軌道投入精度を高めるための小型液体推進系(PBS)を搭載する。PBSに加えて、新たに開発した複数衛星搭載構造(ESMS)およびキューブサット放出装置を搭載し、小型実証衛星1号機、3基の超小型衛星、3基のキューブサットの計7基の衛星を相乗り打ち上げする。相乗りする衛星も多彩で、例えばALE社が人工流れ星の実現可能性と市場性を検証するなど、注目されるところ。
 ちなみに小型実証衛星1号機のサイズは、約1メートル×1メートル×1メートル。重量は最大200kg。太陽同期軌道の高度約500キロメートルに投入する計画だ。搭載するミッション機器は、革新的FPGA、Xバンド高速通信機/Xバンド中利得アンテナ、グリーンプロペラント推進系、粒子エネルギースペクトロメータ、革新的地球センサ・スタートラッカー、軽量太陽電池パドル、超小型・省電力GNSS受信機。
 この実証衛星では公募した7つの部品・機器の実証テーマを軌道で実証する。実証テーマ提案者からの要求を受けて衛星を運用し、実証機器の実験データおよび実験実施時の環境データを取得する。

 

※写真=JAXAが初めて開発・製造・運用を民間委託する革新的技術実証衛星1号。JAXA衛星の新たな歴史の1ページとなる衛星だ(提供:JAXA)

※画像=イプシロン4号機。第3段の上に衛星の軌道投入精度を高めるためのPBSを搭載するほか、新たに開発した複数衛星搭載構造およびキューブサット放出装置を搭載する(提供:JAXA)