【潮流】アウトバウンド拡大は国策
日本の旅行産業は航空輸送に支えられている。日本が島国である以上、輸送手段は空と海に限定され、近年、クルーズ旅行が成長しているとはいえ、航空機が旅行の輸送手段の大半を占める。つまり、航空機を運航する航空会社が日本のアウトバウンド、インバウンドを総称する「国際旅行」または「国際観光」の供給を担っている。いくら旅行需要が旺盛でも航空会社が供給量を拡大しなければ旅行者数を増加することはできない。
国際航空運送協会(IATA)によると、2023年の国際航空旅客輸送量はコロナ前の94.1%と9割以上回復した。世界の航空会社は2023年の9割の「回復」から2024年は「成長」へコロナ超えに向かっている。航空輸送量の拡大と連動して国際観光客数は、UNツーリズムによれば、2023年はコロナ前の88%、2024年はコロナ前の2%増の回復と予想している。
世界は航空旅客需要と航空座席供給が2024年はコロナ前を上回ることでほぼ一致している。国際的にはインバウンド、アウトバウンドがともに好調で、それが国際観光客数に反映されている。ただし、中国等の例があり、アジア市場の国際観光の遅れが指摘されている。