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ベル、AH-1Zを陸自新戦闘ヘリに提案
高度な海上ミッション対応力、AH-1Sとは全く異なる
ベル・ヘリコプターのアジア太平洋担当国際ビジネス開拓ディレクターのジョン・ウッドベリー氏、ベル顧問のジョージ・トラウトマン退役海兵中将がこのほど本紙のインタビューに応じて、ベル・ヘリコプター防衛関係の日本向け提案、次世代回転翼機試作などに言及した。ウッドベリー氏は今年5月に防衛装備庁からの新戦闘ヘリコプター情報提供要請(RFI)に応えて、AH-1Zを提案したことを明らかにした。新戦闘ヘリコプターは離島防衛など海上ミッションでの展開も想定されることから、ウッドベリー氏はそうした要求項目には完全に適応できるものとの見方を示している。
一方、海兵隊の航空担当副司令官として、V-22やAH-1Zの採用にも深く関わったトラウトマン氏は、とくにAH-1Zが高い海上運用能力(マリナゼーション性)を最初から設計に織り込んだ機体であること強調。「艦上運用、海上運用に向けて徹底した腐食防止策が機体の各部に施されている」との認識を示した。
マリナゼーション性と一言で言われることが多々あるものの、トラウトマン氏は更に3点の重要事項を挙げた。一つは部品交換が他機種より少なく、補給支援が小規模で済むこと。二点目はローターブレードが折り畳めるため、甲板上での専有面積が少なくて済むこと、そして三点目はレーダーや通信など強烈な電磁環境下にある艦上での誤作動を起こさない高い電磁防護性能であることを明かした。強烈な電磁環境下にあって、万一にも武装系統などが誤作動を引き起こせば、その運用上、重要な問題になるためと説明している。
また、AH-1Zの外観はAH-1Sに似ているものの、ほとんど共通性はないとのこと。全く異なる機体と言えるとの見方を示した。
ちなみにAH-1Zは、双発エンジンと4枚ローターにより十分なパワーを発揮し、航続距離、耐G性能も高まった。武装の幅は広がりヘルファイア対戦車ミサイル、誘導ロケット弾からAIM-9X空対空ミサイルまで搭載可能だ。最新のミッションコンピューターと高性能照準装置を持ち、前席、後席から同様に操縦できる。
トラウトマン氏は「海兵隊はAH-1JからAH-1T、AH-1Wと使ってきてAH-1Zに至ったが、1Wと1Zの違いは最も大きく、最終的な艦載戦闘ヘリの最終型とも言うべきものだ」と述べた。
※写真1=ベル社のウッドベリー・ディレクター(右)とトラウトマン顧問。後方はV-280バーラーの写真
※写真2=AH-1Z戦闘ヘリコプター(提供:NAVAIR)
※写真3=V-248ビジランティの模型
※写真4=V-280バーラーの模型