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2018.12.05

WING

岩屋防相、サイバー反撃は3要件満たせば可能

重要インフラ影響で発動も、事態ごとに対応必要

 岩屋毅防衛大臣は12月4日の閣議後会見で、サイバー攻撃を受けた場合、事態が自衛権発動の三要件を満たせばサイバーによる反撃を行使することが可能との見解を示した。かねてより同様の考えを示してきたとして、改めて強調した。現在のところ、サイバー対応についてグレーゾーンの対応を研究・検討中だと説明。国際的にもサイバー攻撃・反撃の基準が明確に定まっているわけではなく、基準の確定に急ぐ姿勢を示した。
 仮に、サイバー攻撃を受けて重要インフラに影響が発生した場合、なおかつ、それが自衛権発動の要件を満たし、損害が国民の生命・自由・幸福追求の権利を覆すレベルだと判断すれば「当然、武力攻撃事態と認定されて、自衛権が発動できる」と見解を述べた。しかし新たな防衛大綱・次期中期防の策定が大詰めを迎える中、サイバーに関する反撃措置の行使要件を明確化することについて「今のところ、そういう予定はない」と、明言しなかった。
 岩屋大臣は、サイバー攻撃には「いろんなグラデーションがある」と話し、それによって判断する必要があるとした。情報を盗むことを目的としたサイバー攻撃に関しては、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が中心となって対応することになる、との考え。しかし、物理的あるいは物や人に甚大な被害、損害をもたらすことが目的の場合には、「武力攻撃の一環かもしれない」と考えることになる。そのため「個々具体に判断をしていかなければいけない」と述べた。