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2018.12.07

WING

セルビア、H145Mの初号機を受領

エアバス・ヘリ、9機を空軍と内務省の納入へ

 エアバス・ヘリコプターズは先頃、9機受注したセルビア向けH145M軍用ヘリコプターの初号機をドイツのドナウワース工場で引渡した。これはセルビア空軍向けの機体で、セルビアのアレクサンダー・ブリン国防相が同工場を訪れて受領した。セルビアは合計9機のH145Mを空軍と内務省向けに発注している。12月には更に2機のH145Mがセルビア内務省に納入される。
 H145Mは幾つかのオプション装備パッケージがあり、付与された任務に合せて追加や取替が可能。セルビアのH145Mは急速ロープ降下装置、高性能カメラ、火力支援装置、防弾装備、さらに電子対抗装置を装備している。加えてセルビア空軍向けの4機はエアバス・ヘリコプターズが開発したHフォース火器管制システムを装備しており、Hフォースによりセルビアは多くの空対空、空対地ミサイルや機銃をH145Mに装備し運用することができる。同機の最大離陸重量は3.7トンであり、兵員輸送、多用途、探索、救助、武装偵察、医療搬送を含む幅広い任務に使用が可能だ。
 H145Mは軽双発ヘリで、2015年に初めてドイツ国防軍に納入され、それ以来ハンガリー、タイ、ルクセンブルグより受注している。2台のサフラン「アリエル」2Eエンジンを動力とし、H145Mは全領域デジタルエンジン制御(FADEC)および「ヘリオニクス」デジタルアビオニクスを装備。更に同機は安全性を増進し、パイロットのワークロードを低減する高性能4軸自動操縦装置も装備している。また、騒音範囲が小さいことから、同クラスでは最も静かなヘリコプターとなっている。
 

 

 ※写真=飛行するセルビア空軍のH145Mヘリ。左側操縦席にはセルビアの国防相が搭乗して体験飛行した(提供:エアバス・ヘリコプターズ)