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2024.05.20

WING

中部空港決算、当期純利益21億円、4期ぶり黒字に

 国際回復と費用抑制奏功、3億円赤字予想を払拭

 

 中部国際空港会社は5月17日、2024年3月期決算を発表した。それによれば、当期純利益が21億2200万円となり、4期ぶりの黒字転換を果たすことに成功した。中間期時点に公表していた通期業績予想では、当期純損益を3億円の赤字と予想していたものの、大幅な増収に加えて費用増加の抑制を図ったことが奏功。業績予想を大きく上回って着地した。
 期間中の売上高は前年同期比63.2%増の399億8900万円と大幅な増収を記録した一方、営業費用は需要増・売上増に連動した仕入れ費用や施設運営費用が増加したなかでも、物件費増加の抑制を継続したことなどにより、前年同期比21.2%増の378億8000万円に留めた。その結果、営業利益21億2000万円、経常利益15億5000万円、そして当期純利益21億2000万円を確保することに成功した。
 売上高のうち、主力の空港事業は38.7%増加した222億1000万円の売上を計上。旅客数・発着回数ともに回復が進行し、大幅な増収となった。旅客数および来港者数が回復してきたことで、もうひとつの柱である商業事業の売上高も131.3%増加した153億円を確保。とりわけ免税店の売上高が66億7000万円となったほか、直営物販店、飲食・サービス店舗の売上なども伸びて、商業事業の売上高を押し上げた。
 都内で決算会見に臨んだ中部国際空港会社の櫻井俊樹副社長は2023年度を振り返り、「国際旅客は東アジア・東南アジア方面の復便・新規就航と旺盛なインバウンド需要により、緩やかな回復基調を継続した」と説明。国際線旅客は「2024年3月は、2019年3月と比較して65%まで回復している」ことを明かした。さらに、国内旅客数については「2019年度の水準まで回復している」と話すなど、国内線・国際線ともに回復が進んだことを明かした。

 

 航空旅客は918万人、国際線コロナまえ52%水準
 訪日好調もアウトバウンドに課題あり

 

 櫻井副社長が明かしたように、国際線・国内線ともに回復が一段と進んだ2023年度だが、国際線・国内線をあわせた航空旅客数は前年度比52.5%増加した918万人にまで回復した。中間期時点の予想では900万人と予想していたが、国際線が予想以上に伸びた結果、中間期における予想を上回った。

 

※写真=4期ぶりの黒字転換を果たした中部空港だが、課題の一つは回復が遅れるアウトバウンドの回復だ

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