ウイングトラベル
観光庁、シートリップ・ジャパンに立入検査
「Trip.com」で空販売問題、実態解明急ぐ
観光庁は、中国最大手OTAのCtripグループが日本で運営する「Trip.com(トリップドットコム)」で、宿泊施設の許可なく既に満室となっている部屋を「空室」表示で「空販売」したり、予約と同時に一律100%のキャンセル料を課すなど、旅行業法違反の可能性があるとして、シートリップ・ジャパン(観光庁長官登録第1種)に対して12月4日に立入検査を行った。
それによると、「Trip.com」は、宿泊施設の許可なく消費者から勝手に宿泊施設の予約を受け付け、在庫がないにも関わらず在庫があるように見せかけて「空販売」を行っていたほか、予約の受付と同時に消費者からキャンセルができない形で宿泊代金を収受し、キャンセル料を一律100%課していたなどの疑いがある。
観光庁によると、シートリップ・ジャパンは11月に第3種から第1種旅行業に変更登録したばかり。観光庁では立入検査に当たり、そもそも「Trip.com」の運営や仕入れをシートリップ・ジャパンが担当していたのかを確認したところ、同社は関与しておらず、中国の本社サイドが直接運営や仕入れを行っていた可能性があるという。
ただ、Ctripの日本での関連会社は、観光庁が把握する範囲でシートリップ・ジャパン以外に他に2社あり、別の子会社が「Trip.com」の運営や仕入れを行っていた可能性もあることから、観光庁では早急に実態解明を進めるとしている。
それらの2社は、東京都第3種のシートリップエアチケッティングジャパン(Ctrip Air Ticketing Japan)、大阪府第3種のシートリップインターナショナルトラベルジャパン(Ctrip International Travel Japan)の2社。いずれも第3種旅行業のため、東京都と大阪府に調査協力を求めることになる見通しだ。
仮に、これらの子会社も「Trip.com」の運営や仕入れに関与しておらず、中国サイドが直接運営や仕入れを行っていた場合、Ctripは日本の旅行業登録はなく、旅行業法適用外のため、観光庁としては業法に基づく指導権限がないことになる。その場合には、3年前に策定したOTAガイドラインに基づき、ガイドラインの遵守について協力要請するなどの対応を検討することになる。
「海外OTAを利用する際はご注意ください!」
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