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PDエアロ、ジェット・回転爆轟ロケット混成燃焼成功
ジェットの回転爆轟エンジン開発と単一室燃焼で切替計画
サブオービタルの再使用有翼型スペースプレーンの開発を進めているPDエアロスペースは5月27日、世界初となるデトネーション技術をベースとした新エンジン「ジェット/ロケット コンバインドサイクル(混成方式) エンジン」の燃焼実証に成功したことを発表した。同日、愛知県碧南市にある同社のR&Dセンターにおいて、報道陣に燃焼実証を公開した。PDエアロスペースでは2027年にも高度80kmまで上昇する無人機に新型エンジンを1~2基搭載した無人機「PDAS-X07」によるサブオービタル飛行を実施する計画だ。
同日の公開実証実験は、ジェットエンジン、ロケットエンジンともにフルパワーの50%の推力で実施した。このうちジェットエンジンは市販のオランダ製エンジンを活用し、ロケットエンジンには独自開発した「ローテ―ティング・デトネーション(爆轟)」方式のエンジン(RDRE:Rotating Detonation Rocket Engine)を使用した。
ジェットエンジンをハーフパワーまで推力を上げた後、ロケットモードへと切り替えて約3秒燃焼。その後、再びジェットモードへと切り替え、停止させるまでの一連の流れを実証した。これはPDエアロスペースがサブオービタルのスペースプレーンを飛行させる場合のシーケンスを模擬したもの。今回の公開実証は全体的に短縮して行ったが、実飛行する場合、例えばロケットモードで120秒間、燃焼することになるという。
※写真=「ローテ―ティング・デトネーション」ロケットエンジンの燃焼の様子