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2024.06.03

2024年教育旅行・視察研修をケアンズで実施【クイーンズラン州②】

世界自然遺産での自然体験

 

熱帯雨林

 

 ケアンズシティから車で約3 0分。キュランダ周辺に広がる熱帯雨林の中にある自然体験型テーマパークが「レインフォレストステーション・ネーチャーパーク」だ。水陸両用6輪駆動車「アーミーダック」に乗り、30~45分かけて熱帯雨林内を探索。途中で水しぶきを上げながら湖や川に入り、水面から森の生態系を観察する機会もある。アーミーダック・ツアーの前後には、アボリジナルピープルがブーメラン投げやアボリジナルアートなどを教えてくれたり、ダンス鑑賞などの体験も可能。パーク内のミニ動物園でコアラやカンガルーなどオーストラリア固有種を間近に観察することもできる。参加者からは「ケアンズの熱帯雨林を見るには素晴らしい施設」との感想が聞かれ、特に生物や生態系の課題研究をしている生徒に体験させたいとの声もあった。
 標高約360mのケアンズハイランドにあるキュランダの町と麓の駅を結ぶケーブルカー「スカイレール・レインフォレスト・ケーブルウェイ」は、途中駅で下車して熱帯雨林の中の遊歩道を散策したり、展望台から広大な熱帯雨林を見晴らすこともできる。「熱帯雨林を上空から見下ろす絶景は記憶に残る体験だった」や「世界遺産を間近に感じられる素晴らしい施設」と参加者にも好評だった。

グレートバリアリーフ

 

 陸上の世界自然遺産である熱帯雨林に対し、海の世界自然遺産である世界最大の珊瑚礁エリアがグレートバリアリーフだ。今回はケアンズからフェリーで45分の沖合にあるフィッツロイ島を訪問。学校関係者にもよく知られているグリーン島と同じように、教育旅行に適した島だが、グリーン島より規模が大きいのが特徴だ。このため島ではマリンアクティビティだけでなく島内ハイキングを体験することもでき、「海だけでなく山登りもできるので、海に入れない生徒にとっては良いと思う」など選択肢の多さを評価する参加者が多かった。

Fitzroy Island

 

現地学校及び語学学校の視察

 

 海外教育旅行の増加に伴い、学校訪問や生徒交流の相手先確保の難易度が上がりつつあるのは世界各方面で共通する課題となっている。しかしケアンズには受け入れに積極的な学校があり、教育旅行事業者は地元に太い人脈を持ち仲介機能もしっかりしているため、安心して交流体験を組み込める。
 また今回の研修視察をアレンジした教育旅行事業者のバノラ・インターナショナル・グループやクレーン・ダンス社は、現地の学校・語学学校との仲介だけでなく、ホームビジットやファームステイ、体験学習プログラムなどの提案も行っている。日本における探求教育の重要性も理解しており、SDGs等のテーマ別プログラムを提案する能力も持っている。
 今回訪問した現地高校はマランダ州立高校。自然豊かなアサートン高原にあり、学業面でも優秀な高校だ。オーストラリアの公立校らしく多様な文化や民族的な背景を持つ生徒が集まっている点を評価する参加者もいた。日本語教育にも力を入れており、親日的な環境も学校交流の相手校としての魅力のひとつだ。

 語学学校のサンパシフィック・カレッジ・ケアンズ校は創設者である日本人校長が情熱をもって英語教育に取り組んでいるのが特徴。多くの参加者が「日本人学生が学ぶのに、本人も保護者も安心できる語学学校という印象」を抱いたようだ。他にも「私が生徒の時代に参加したかった。今後プログラムを作るとしたら、絶対に外せない場所で、生徒たちを入れたい学校No.1」「熱い校長先生だった。すばらしい教育理念とそれに裏打ちされた施設に感動」との高評価が多かった。
 同じく語学学校であるケアンズ・カレッジ・オブ・イングリッシュ&ビジネスは市中心部にあり便利な立地が特徴。ピース・ルーテル・カレッジはケアンズ郊外の美しい丘陵地帯に立地する専門学校で、校内に本格的なカフェがあるなど充実した施設・設備も魅力の一つだ。

こんなユニークなTシャツも

 

ファームステイ及びホームビジット体験

 

 視察・研修の最後の晩はクレーン・ダンス社の手配でファームビジットを体験。アサ―トン高原で広大な土地や農場を所有する家族宅に2~4人ずつ分宿し、ホストファミリーと交流した。参加者からは「生きた英語に触れられ、話すことにトライできる、とてもいい経験だった」や「ファームステイは初めてだったのでいい経験になった。飾らないオーストラリアの暮らしを目の当たりにできて興味深かった」といった反応が見られた。
 ホームビジットでは、バノラ・インターナショナル・グループの手配でケアンズの家庭を訪問した。ランチやディナーを共にしながら現地の生活に触れるプログラムで、宿泊を伴わない形で旅程に組み込めるメリットがある。しかしホームステイほど認知度が高くない面があり、参加者からも「ホームステイができなくても、ディナーを共にできることを初めて知った」との声も聞かれた。
 クイーンズランド州政府観光局では、毎年1回のペースで学校関係者を対象とする現地視察研修を実施しており、来年はブリスベンとゴールドコーストの視察研修を実施する予定だ。

 

 

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