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2024.05.29

WING

SJAC、24年度航空宇宙生産額が19年度超えに期待

 供給網、人材不足、インフレなど持続的成長へ課題も

 日本航空宇宙工業会(SJAC)の満岡次郎会長(IHI取締役会長)が5月28日、都内で記者会見に臨み、2023年度の国内航空機生産額が1兆6868億円(うち民間:1兆2067億円、防衛:4801億円)にまで回復したことに触れつつ、「2024年度の航空機と宇宙機器合わせた生産額が、コロナ禍前の2019年度の2兆円を超える規模に回復することを期待する」との見解を示した。
 新型コロナパンデミックの発生などにより、大打撃を受けた日本の航空機産業。2021年度には1兆1554億円にまで落ち込んだ。ただ、足下では日本の航空機産業が得意とする広胴機の新造機需要が回復してきているほか、日本の安全保障環境の変化に伴う防衛予算の拡大、そして宇宙分野でも新たな市場形成が進むなど、再び上昇気流に乗っている。
 そうしたなか満岡会長は、民間航空機・防衛・宇宙の各分野において「需要の拡大が見込まれる」との見解を示した一方で、 「(航空機産業は)供給面でサプライチェーンの混乱、人材不足、インフレーションなどが特徴となっており、持続的な成長への課題として存在している」との認識を示し、そうした種々の課題への対応が迫られているとの現況認識を示した。

※この記事の概要
・国際航空宇宙展、「宙空で織りなす、拡がる未来」テーマに
 脱炭素や空クル、衛星利用・宇宙探査などすそ野拡大
・満岡会長が退任、後任はSUBARU中村会長

 中村新会長「重責を肝に銘じ産業発展に貢献」