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JAXA山川理事長、「成果が社会に活用・根付く世界に」
「新たな世界切り拓く挑戦的研究開発に取り組む」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新理事長に、4月1日付で山川宏理事長が就任した。同日、就任会見に臨んだ山川理事長は就任に当たり、「これまでに取り組んできた研究開発成果が、社会に活用されて根付いていく世界を実現すること。JAXAは宇宙航空分野が新たな世界を切り拓く挑戦的な研究開発に取り組み、日本の宇宙航空分野を牽引していかねばならない」と、大きく二つのことに取り組む姿勢を見せた。山川理事長の任期は2020年3月31日まで。
山川新体制の下、JAXAは第4期中長期計画をスタートしており、山川理事長も「これまでの私の経験、即ち政府における政策立案の経験、国内外の宇宙機関での経験を活かして、JAXAが挑戦し続ける組織となるように、尽力していきたい」と話す。さらに、「今後の日本の宇宙航空開発の発展に全力を注ぐ所存であり、皆様のご支援・ご協力を賜るよう、ご協力を頂きたい」と、JAXAの活動に対する国民理解を求めた。
山川体制が船出したが、欧米など宇宙先進国の活動が活発化していることはもちろんのこと、中東・アフリカなどの宇宙新興国の台頭も著しい。さらに、これまで宇宙分野には進出していなかった異業種の大企業が宇宙分野に続々と進出するなど、宇宙開発を取り巻く環境は劇的に変わった。時代はまさに宇宙の”大航海時代”の入り口にあるとの見方もできよう。
山川理事長もそうした環境の変化と競争に言及しつつ、JAXAとしても「新興国あるいは様々な産業が進出しており、できるだけ国際協力、産業を支援するという観点で尽力していきたい」と話した。「新興国はそれぞれ得意な技術があろうだろう。JAXAとしても協力できるところは協力して、得るところもたくさんあるだろうから積極的に協力したい」としている。
加えて、「国内の宇宙ベンチャーは活発化しており、政府全体の産業支援パッケージが発表されているが、そこにJAXAとしては研究開発、技術的な観点から支援していく」とも話した。
※写真=新理事長に就任した山川宏理事長