記事検索はこちらで→
2024.06.01

WING

国交省、空港BCP実効性強化へガイドライン改訂

 事故滞留者にBCP展開、二次交通確保で運極と連携等

 国土交通省は「A2-BCP」(空港業務継続計画:Advanced/Airport-Business Continuity Planning)の実効性を一層高めることを決めた。具体的には能登半島地震や羽田空港の衝突事故の発生を踏まえた対応や、二次交通の確保に係る運輸局との連携強化、コンセッション空港の災害対応における官民の役割分担の整理など、これまでの「策定」から「運用」へ主眼を切り替えたかたちだ。さらに、「A2 -BCP」は本来、自然災害対応としてまとめられたものだが、羽田衝突事故の発生後、空港内で滞留事案がみられたことを受け、事故による滞留者対応にも、「A2-BCP」を活用することを決めた。
 これは5月30日に開催された「空港における自然災害対策に関する検討委員会」の第4回会合で示されたもの。「A2-BCP」ガイドラインは2018年9月に発生した台風21号、さらには同じ時期に発生した北海道胆振東部地震、さらには2019年9月の房総半島台風などといった大規模被災事案を受け、空港全体として一体となって対応するべく、BCP策定を主眼に置いたガイドラインとして、2020年3月にまとめたもの。全国95空港で策定されている。
 策定した「A2-BCP」だが、年月の経過とともに被災した空港でも対応にあたった経験者の入れ替わりが進み、足下ではノウハウの継承が課題となってきている。今回のガイドライン改訂にあわせて、被災した空港のノウハウの蓄積・継承する役割を担いつつ、そのノウハウを被災経験が無い空港にも横展開するなど、ガイドラインを改訂することにした。

※この記事の概要
・今後の課題、「TEC-FORCE」体制強化で「運用」支援も
 権限代行制度整備、防災拠点として保持すべき機能再検討
・7月頃から分科会で課題の議論スタート

 来年から委員会は年1回程度開催も  など