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2024.06.19

WING

労働規制がジェット燃料安定供給の「壁」に

 ローリー、内航船の調達困難で新規就航・増便などに影響

 各地でジェット燃料の供給不足問題が生じ、航空会社の新規就航、増便、チャーターなどの戦略に影響が発生している。すでに新千歳空港、帯広空港、広島空港などで燃料供給不足問題の煽りを受けており、政府が掲げる訪日6000万人の達成に向けても、新たなボトルネックとなりかねない事態だ。
 政府は対策を急ぐとして国土交通省と資源エネルギー庁が6月18日、「航空燃料供不足への対応に向けた官民タスクフォース」の第1回目の会合を開いた。同会合には民間から航空会社、空港、石油元売りのほか、石油連盟、全国空港給油協会、日本内航海運組合総連合会といった関連する業界団体が参加。国土交通省航空局、海事局、観光庁、資源エネルギー庁ら官側担当者と議論する。
 第1回目の会合のなかで、この問題の一因として浮彫になってきたことは、空港に燃料を供給する際に使用するローリーや輸送船の不足だ。さまざまな労働規制が敷かれたことにより輸送手段が制約され、航空会社が増便・新規就航、チャーターを設定しようとしても、燃料を確保することが困難になっているという構図が明らかになってきた。
 国土交通省と資源エネルギー庁によれば、第1回の会合では問題の状況・認識の共有を図ったとのこと。航空局が昨今の路線便数ネットワークや訪日客の状況を説明したほか、北海道、帯広市、広島県などから、既にジェット燃料の安定供給に関する要望書が航空局に寄せられていることを明かした。さらに海事局は内航海運の現状を、資源エネルギー庁も石油製品の現状など説明した。

※この記事の概要
・石油製品需要は総じて減少傾向もジェットは別
 輸送力不足、タンク容量など空港毎に課題抽出  など