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防衛力懇談会で大綱骨子案、統合機動防衛力を深化
新たな名称へ、いずも空母化とF-35B運用示す
政府は12月11日に、第7回目となる安全保障と防衛力に関する懇談会を開き、見直しを行う2019年度以降の防衛計画の大綱の骨子案を発表した。その中で特に力を入れているといえるのが、統合的な防衛態勢について。この度の骨子案では、現大綱の統合機動防衛力をさらに掘り下げる。伏せ字ではあるが、新たな名称の防衛力を示して、全領域の融合を加速化する。さらに海空領域の能力強化については、現有艦艇からのSTOVL機運用に言及。「いずも」型護衛艦によるF-35Bの運用を暗に示すかたちとなった。
防衛力強化において、骨子案では伏せ字ながら新たな名称の防衛力を明言した。これは統合機動防衛力の方向性を深化させるものとして、全領域の能力を有機的に融合して、あらゆる段階で柔軟かつ戦略的に活動できる体制とする。従来から、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域の能力強化では、従来の領域にとらわれない体制の構築が求められているところ。それをさらに深彫りして、領域横断作戦に必要な能力の強化に努めるとした。
新領域のうち、宇宙分野については機能保証や相手方の指揮統制・情報通信を妨げる能力を含め、あらゆる段階で宇宙利用の優位を確保する能力強化に言及。サイバー分野では、有事での相手方サイバー空間利用を妨げる能力を含め、サイバー防衛能力を抜本的に強化するとした。電磁波についても、相手方のレーダー、通信などの無力化能力の強化に触れている。宇宙では専門の部隊の創設に触れていて、サイバー、電磁波については、現有の体制を強化する考えだ。