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2024.07.01

WING

NAA田村社長、燃料不足問題で57便増やせず

 「かなり深刻」、輸入調達で当面対応

 成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は6月27日の定例会見で、航空機燃料の供給不足問題が成田空港でも影響が出ているとして、現時点で就航・増便を希望する6社57便に対して燃油供給できず「就航を待たなければならない」状況を明かした。
 新規就航や増便を一時停止しているのは、中国線をはじめとしたアジア路線が中心。インバウンドの急増によって国際便が増えるその一方で、製油所の統合や輸送船員の不足などもあって生産が追い付かず、全国の空港で供給不足が生じた。それは成田空港も例外ではなく、およそ2ヵ月前から顕著になったという。
 田村社長は、航空会社が希望する新規就航便や増便を断らざるを得ず、大事な収益機会を失っている状況に「かなり深刻な状態」だと危機感をにじませた。また政府として、日本全体で航空需要を増やし、日本の成長につなげるという方針がありながら、燃油不足のせいで需要を受け止められないことは「大変憂うべき事態」だと自身の思いを述べた。
 NAAでは、国内での調達だけでなく海外からの調達に力を入れる。できるだけ早く受入れを充実させるためには「外から持ってくるほかなく、海外から燃油を輸入する方法で努力している」と説明した。輸入を確実に行うことで、「1年のリードタイムがあれば戻すことができる」としつつ、目の前で不足している57便については「2、3ヵ月で賄える」ようになるとした。