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NAA田村社長、新しい成田検討取りまとめ国へ提出
平岡航空局長、一緒に発展へ取り組む
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は7月3日、これまで有識者委員会を立ち上げて検討してきた「新しい成田空港」構想を取りまとめた報告書を国土交通省航空局の平岡成哲局長へ手渡した。田村社長はこれまで、9回にわたる議論を重ね、地域を含む関係者の意見を反映した新しい成田空港像をまとめることができたとして報告書を手渡すと、平岡局長は今後も関係者と引き続き議論を重ねる必要があるとした上で、NAAと「一緒に取り組んでいきたい」と述べ、新しい成田に向けて国として協力する姿勢を示した。
田村社長は、報告書を手渡した後に会見に応じ、今後国際的に航空需要の伸びが確実視される中、海外の空港では「国主導による機能強化で需要を獲得する国家戦略として動いている」ことを説明し、各国の動きに後れを取ってはならないことを強調した。成田の機能強化は国全体の課題として捉えるべく、今回の報告書で一定の方向性を示したとすると、空港内だけでなくアクセスや地域について国とともに協力して進めていくとした。
また報告書で示した方向性は、様々な分野で深い議論を進めたものだとして「恥ずかしくない内容になった」と自信をのぞかせた。その上で、なるべく早期に国とともに実現に向けた検討の場を設けたい考えを示した。
さらに田村社長は、近隣のライバル空港と比べて成田は「学ぶべきことが多い」として、厳しい競争環境にあることをにじませた。ほかよりも勝る点とすれば「世界最大級の首都圏を後背地に持っていること、北米とアジアとの結節点にあることぐらいだ」と説明。今から手を打つことで「相当な努力が必要だろう」とした。
※写真=NAAの田村社長が「新しい成田空港」構想取りまとめを平岡航空局長へ手渡した