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第2輸送航空隊、安全・確実な輸送が人々の心の拠り所に
あらゆるリスクを排除。想定外なく任務を遂行
航空自衛隊入間基地の第2輸送航空隊は、大型の輸送機を駆る航空輸送のスペシャリストだ。近年部隊では、主力だったC-1が減少しつつあり、より輸送力の高い後継機のC-2へ移行が進んでいる。C-2は航続距離や貨物搭載量が格段に増しており、このところ国外での物資輸送や在外邦人等輸送など、活躍の機会が格段に増えている。隊司令の二木裕昭1等空佐は、パイロットとして初度配置からC-1とともに歩み、今後はその最後を看取ることになる。そんな二木隊司令が、完全なC-2の部隊として、今後何を変え、何を守っていくのか話を聞いた。
第2輸送航空隊の仕事は、国の内外及び任務の種別を問わず、物資や人を運ぶこと。国外の地域情勢の悪化に伴って、在外邦人等を安全な地域へ輸送するために迎えに行くこともある。任務において「航空機あるいは搭載した物資を待っている人たちがいるということは、その人々にとっておそらく我々は、一定程度の拠り所になっているのではないか」と思って任務を行う。拠り所になっているからには、やはり安全・確実に目的地へたどり着くことが重要だ。事故などによってたどり着けないという状況は、任務だけでなく、国際関係にも大きな影響を与えかねない。そのため部隊では、何はなくとも安全・確実に運航することを前提とする。
モットーは、“基本の徹底”。二木隊司令はこれまで、様々な任務を経験した中で、最も普遍的であり、重視すべきテーマだと強調した。それは隊員1人ひとりがやれることは、行った訓練の範囲内でしかないとし、変わらないものとしてあり続ける基本の徹底は、日ごろからの積み重ねの上で成り立っている。
そして世界情勢が加速度的に変化を遂げる中で、急速な情勢悪化で突然、在外邦人等輸送などの任務が命じられることもあるが、日々の訓練によってそうした任務を冷静にこなせる自信を身に付ける。そのときには相手の国・地域で慌てることがないよう、日ごろの訓練をステップアップさせて行っていくことで、想定外の状況や未知の状況に陥ることがないよう、様々な状況下で訓練に臨むべきだとした。