記事検索はこちらで→
2024.07.18

WING

熊大、「ミルフィーユ型マグネシウム合金」開発

 KUMADAI合金超える降伏強さ、高い難燃性も

 熊本大学の先進マグネシウム国際研究センターが、「キンク強化」という新規な材料強化法で高強度が発現する「ミルフィーユ構造」という軟質層・硬質層が重なったナノ層状構造を有し、しかも高い難燃性も併せ持った高強度マグネシウム合金を開発することに成功した。熊本大学はこの高強度マグネシウム合金を、「ミルフィーユ型マグネシウム合金」と命名した。
 この「ミルフィーユ型マグネシウム合金」は、従来の汎用高強度マグネシウム合金に比べて実に1.7倍以上もの高い降伏強度を有しており、KUMADAI耐熱マグネシウム合金と比べても43MPa高い降伏強度を持つ。さらにイットリウムを含んでいることから発火温度は770℃に達し、汎用マグネシウム合金よりも200℃以上高い難燃性特性を持つほか、KUMADAI耐熱マグネシウム合金と比べても合金添加量が半減して3.4%軽量となる。航空機など輸送産業で強く求められる軽量化を深掘りすることができる材料として期待を集めそうだ。