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2024.07.19

ウイングトラベル

★今年の訪日外客数、3500万人視野に

 政府の観光立国推進閣僚会議で見通し示す

 

 政府は7月19日午前、「第24回観光立国推進閣僚会議」を開催した。会議では今年1〜6月の訪日外客数と訪日外国人旅行消費額について報告した上で2024年の訪日外客数が3500万人に、消費額が8兆円規模が視野に入ってくるという見通しを示した。また、航空燃料の供給不足問題への対応策として、当面アジア便で週150便超相当の燃料の供給力を確保することなどを柱とした行動計画を策定して具体的な取り組みを進めていくとした。さらにオーバーツーリズムの未然防止・抑制策として岐阜県の高山や沖縄県の那覇など6カ所を新たに「先駆モデル地域」として採択したことが報告された。

 

 訪日外国人旅行消費額8兆円台に
 航空燃料、当面アジア便で週150便超相当確保

 

 今回の会議では6月の訪日外客数は単月過去最高となる314万人となるとともに、1〜6月累計で約1778万人となったことが報告された。そして上半期のペースが下半期も続けば、2024年の訪日外客数は過去最高の3500万人が視野に入ってくると位置づけた。
 また訪日外国人旅行消費額については1〜6月で2019年同期比61.5%増となる3.9兆円となり、上半期同様のペースで推移すれば暦年で8兆円も視野に入り、観光立国推進基本計画で定めた目標値を大きく上回る見込みであるとした。
 このほか、会議では地方誘客に向けた取り組みの1つとして、地方空港を中心に顕在化している航空燃料の供給不足への対応策について官民タスクフォースの議論を踏まえて行動計画を策定したことを報告した。
 航空燃料の供給に関してはインバウンド需要が急回復する中で、外国エアラインの新規就航などにおいて航空燃料の供給ができない事態が全国で発生。国土交通省によると全国15空港で週140便の燃料が供給できない事態に陥っていた。これを受けて6月に「航空燃料供給不足への対応に向けた官民タスクフォース」を設置し、検討策を議論し、それを踏まえて行動計画を策定した。
 行動計画では、新規就航・増便など各空港における需要量が把握可能な仕組みの構築や航空燃料の供給不足について調整が難航した場合の相談窓口を設置することを決めた。
 また、供給力の確保にあたって商社や石油元売り会社が空港会社などと連携して航空燃料を輸入し直接空港の給油タンクに納入する体制を構築する。
 さらに製油所から空港へのローリー直送の増加など輸送体制の強化を図る。
 これらの取り組みを展開することで地方空港などへの就航数が多いアジア便において週150便超相当の燃料を確保し、各空港に供給可能な体制を構築する。
 また、今後の増便も見据え、製油所・油槽所などのタンク転用などの中長期的な取り組みに着手することとする。

 

 オーバーツーリズム先駆モデル6地域追加

 

 オーバーツーリズムの未然防止・抑制対策としては今年3月に発表した全国20地域に加え、新たに小豆島(香川県)、銀山温泉(山形県)、高山(岐阜県)、秩父(埼玉県)、大月(山梨県)、那覇(沖縄県)の6地域を追加し、具体的な取り組みを進めていくことが報告された。

※図=オーバーツーリズム対策「先駆モデル26地域」(出典:観光立国推進閣僚会議資料)