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2024.07.23

ウイングトラベル

★ヴァージン・オーストラリア、来年2月日本路線運休

 羽田−ケアンズ線、日本からの旅行需要低迷を理由に

 

 ヴァージン・オーストラリア(VOZ)は、2025年2月24日をもって羽田-ケアンズ線を運休すると発表した。日本からの搭乗者数が想定を下回っていることを理由として挙げた。同社は2023年6月から同路線に就航。わずか1年半余りで運休することとなった。今回の決定は日豪間の旅行需要に少なからず影響が出ることが予想される。さらに貴重な羽田発着枠の放出だけに、競合他社の動向も注目されそうだ。
 今回の運休について、同社の事業改革・戦略部門の最高責任者であるアリスター・ハートリー氏は、「当社の国際ネットワークは引き続き戦略の中心。残念ながら日本からの訪豪旅行者の回復は予想を大幅に下回っており、そのため東京への独自のサービスを運営することは、もはや商業的に実行可能ではない」と説明した。
 ヴァージン・オーストラリアは2020年3月に羽田−ブリスベン線の運航を開始する予定だったが、コロナ禍に伴い断念。その後、羽田-ケアンズ線に運航ルートを切り替えて2023年6月にデイリー運航で就航していた。なお、同路線に投入しているボーイング737MAX8型機については既存の国内線ネットワークに再配備するとしている。
 運休日以降に同路線を予約している人に対しては予約の払い戻しが行われる。同社によると影響を受けるのは2000人程度となるとしている。なお、全日本空輸(ANA)との提携については継続する。  ちなみに日本からオーストラリアへの訪問者数は、最新の2024年5月の数字で、2万3010人を記録。コロナ前の2019年同月比で82%まで回復している。2024年5月までの過去12カ月間(2023年6月〜2024年5月)で見ると、35万4860人に達し、2019年同期(2018年6月〜2019年5月)比で73%となっている。
 オーストラリアへの旅行需要は、日本のアウトバウンド市場の中で早い回復を見せていた。その要因のひとつが航空座席供給の拡大だ。
 特にケアンズについては、ヴァージン・オーストラリアのほか、ジェットスター航空が成田−ケアンズ線と関西−ケアンズ線を運航していることでコロナ前の座席供給を上回っている状況だ。それに伴いケアンズへの日本人訪問者数は、すでにコロナ前比で9割にまで回復、今年はコロナ前超えを予測していた。

 

※写真=ヴァージン・オーストラリアが来年2月に羽田−ケアンズ線を運休