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ICAO、23年は過去5年間で最も高い安全性
事故死亡率は100万飛行回あたり1.87回に
新型コロナパンデミックが収束し、旺盛な旅客需要に伴ってネットワーク便数が急速に回復・成長するなか、航空輸送の安全性は関係者の尽力により、一層高まっているようだ。国際民間航空機関(ICAO)は、航空輸送の安全性が引き続き向上していることを発表した。これは去る8月28日にモントリオールで開催された第14回ICAOエアナビゲーション会議において、各国代表団に紹介したもの。
ICAOが明らかにした2023年の定期民間航空の安全報告書によると、航空事故による死亡率は10億人あたり17人だった。2022年の10億人あたり50人から、大幅に減少した。世界の航空事故発生率も、2022年には100万飛行回あたり2.05件だったが、2023年には100万回あたり1.87件に低下した。
※写真=航空輸送の回復が進むなか安全性は高まっている(提供:ICAO)
ICAOは、航空旅客数が2022年の32億人から2023年には世界全体で約42億人に回復が進み、さらに飛行回数が2022年の約3100万回から2023年には3500万回以上に拡大する一方で、航空安全は一層高まったと評価している。
ICAOがまとめた報告書によれば、昨年は事故発生率、死亡事故件数、死者数、死亡率などの各指標において、各5年間のなかで最も高い安全性が示された年だったとのこと。ただ、それでも72名の命が失われた死亡事故が1件発生した。ちなみに2022年には7件の事故により、160名が命を落とした。
ICAO理事会のサルバトーレ・スキアッキターノ会長は、「これらの素晴らしい安全に関するデータは、航空業界全体の献身と努力を反映するもの」と話すなど、航空業界の安全に対する取り組みを評価。「我々の揺るぎない目標は、民間航空における死亡事故ゼロ」であることを強調し、「この野心的な目標を達成するには、総力を結集する必要がある」として、目標達成に向けて関係者の更なる協力を呼び掛けた。
ICAOのフアン・カルロス・サラザール事務局長は「ICAOは、世界航空安全計画や高リスク分野に対処する的を絞った取り組みを通じて、さらなる改善を推進することを約束する」とし、「ICAOは、監査プログラムを強化し、国際基準を更新し、加盟国に合わせた支援を提供している。我々は、政府、航空会社、空港、航空交通サービスプロバイダー、メーカーなど、すべてのパートナーに対し、安全への取り組みを強化し、ICAOと緊密に協力するよう呼びかける」と述べた。