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ANAによる空港車両自動化実証、7割が自動運転完遂
一時停止もほぼ復帰可能、自動運転実現へ近づく
国土交通省航空局が9月10日に行った「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」は、これまでレベル4走行の実現に向けて行ってきた実証実験の結果を発表した。特に全日本空輸(ANA)による豊田自動織機製の自動運転トーイングトラクターを使った実証については、7月に計166回の自動走行を行ったうち、自動走行を完遂できたのは70%に当たる117回となった。手動介入があったのは主に障害物などを検知したためで、安全性の高さは確認できており、課題の検討などを行うことで完全自動運転の実現に近づいていることを示した。
ANAが行った実証実験は、7月1・2日に監視者が乗車したレベル4運転を行い、その後13日は運転席が無人の状態で搬送を行った。期間中に実施した自動走行166回のうち、貨物搬送が94回で出発便に対する走行が46回、到着便には48回、回送が72回だった。この実証で事故・遅延便・ヒヤリハットの発生は0件だった。そのうち自動走行継続に危険を感じてブレーキを踏んだオーバーライド発生は3件で、遠隔リモコンで停止した緊急停止が2件発生した。これはいずれもオペレーターの判断によるものであり、仮にそのまま継続しても障害物検知によって一時停止が可能な件だったとした。また自動走行中に一時停止した自動車両へ人が乗り込んだ手動介入は49件発生した。この内訳は障害物検知の一時停止が45件で、オーバーライドによるものが3件、緊急停止では1件だった。
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