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飲酒基準検討会、乗務前アルコール検査を義務化
数値基準は英国に準拠、基準未満検出も乗務禁止
「航空従事者の飲酒基準に関する検討会」は12月19日、本邦航空運送事業者を対象にアルコール検知器を使用した乗務前の検査を義務化する方針を固めた。航空局では、パブリックコメントなど所要の手続きを行った上で、今年度内の早期に、航空各社に対して通達したい考え。乗務前のアルコールチェックは、社内規定で各社行ってきたところだが、国として義務化するのは世界的に見ても初めて。これにより日本では、世界で最も厳しい部類のアルコール対応を行うことになる。
検討会が示したアルコール対応は、これまで規定しなかったアルコールの基準値を設定する。全操縦士を対象に示した基準値は、操縦能力への影響が認められるとされる血中濃度を0.2グラム/リットルとし、これを呼気濃度として換算すると0.09ミリグラム/リットルとした。これは、英国のアルコール規程と同じ数量となる。航空会社でこのところ立て続けに発生した飲酒事案の中でも、英国で日本航空の副操縦士が拘束された事案があるが、この英国の規程に沿うかたちとした。日本ではこれまで、航空機の全操縦士に対して正常な運航に影響を与えるおそれがある場合、乗務禁止としてきたが、今後アルコール濃度が基準値未満でも、引き続き運航影響のおそれがある場合は乗務禁止とする。