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ビッグサイトで国際航空宇宙展、華々しく開幕
679企業・団体が集結、拡大する航空宇宙産業に期待
2024国際航空宇宙展(日本航空宇宙工業会、東京ビッグサイト主催)は10月16日、東京ビッグサイトでオープニングセレモニーを行った。19日までの4日間、国内外の航空・宇宙産業に携わる企業や団体などが一堂に会し、技術力の売込みを図る。主催者を代表してあいさつした日本航空宇宙工業会の中村知美会長は、今年に全世界で旅行する人の数が2019年の45億人を上回る47億人に達する見込みで、航空市場の拡大を背景に今回の展示会には「23の国・地域から679の企業・団体が出展した」ことを説明すると、これは「世界の航空宇宙分野トップ100社のうち、実に約3分の1の企業が集まった」として、規模の拡大を喜んだ。
さらに中村会長は、国内出展者から中小企業や新分野に挑戦するスタートアップ企業による出展に注目。加えて航空自衛隊が各国空軍幹部を招待して会場を訪問することに触れると、出展者・来場者にとって「さらなる飛躍の契機となることを確信している」と話し、マッチングによって先端技術の活用がさらに進むことへ期待感を示した。
同展示会は1966年に航空自衛隊入間基地で始まった東京航空宇宙ショーに端を発し、58年の歴史を持つ。中村会長は、展示会開始当初の航空宇宙産業が500億円規模ほどだったが、現在では1兆7000億円規模にまで拡大しており「今後一層の成長が見込まれる」と、今後も成長が続く見込みだとした。
来賓を代表してあいさつした内閣府特命担当大臣(宇宙政策、経済安全保障)の城内実大臣は「宇宙分野の技術が希望と夢を与える経済社会の基盤」だとし、様々な場面で活用が進んでいることを示した。特に能登半島地震が発生した被災地では、民間の衛星から得られたデータで被害を把握したことなどを説明すると、「防災・減災のための宇宙システムの利用は、これまで以上に重要になる」ことを説明した。
また去年には航空自衛隊で宇宙作戦群が新編され、民間機関・企業との協力が進展して共同で宇宙監視などの任務が行われることに触れると、各国とも連携が進んでいることを歓迎した。さらにこれまで国内の宇宙分野における開発が急速に進んでいることを説明すると、米国のアルテミス計画への協力の1つとして加圧月面探査車を提供することなどを挙げ、日本人宇宙飛行士が「近い将来月へ着陸する」ことへ期待感を示した。
そのため城内大臣は、日本政府では今年3月に初めて宇宙技術戦略を策定したことと併せて、JAXAの宇宙戦略基金によって「民間の技術開発を後押ししている」ことを強調。担当大臣として「関係省庁を挙げて宇宙政策を強力に推進し、日本の宇宙活動をより強固なものにしていく」考えを示した。
※写真1=オープニングセレモニーのテープカット。左からビッグサイトの前田信弘社長、防衛装備庁の石川武長官、国土交通省航空局の北澤歩安全部長、城内実内閣府特命担当大臣、経済産業省製造産業局の田中一成審議官、防衛省の内倉浩昭航空幕僚長、日本航空宇宙工業会の中村知美会長