WING
運用可能基地数・駐機場有効活用などKC46に強みあり
拡大する空自KC46フリート、来年5・6号機納入
ボーイング防衛宇宙・安全保障部門「KC-46ペガサス」ビジネスデベロップメントのシニアセールス・マネージャーを務めているショーン・マーティン氏が10月17日、報道陣の取材に応じて、航空自衛隊が運用し、空中給油ミッションを筆頭にさまざまなミッションに展開しているKC-46Aの優位性を強調。マーティン氏は「一見すると、より機体規模の大きな空中給油機の方が、給油量が多く利点が多いと捉えられがちだ」と前置きしつつ、「実際の運用展開の観点でみてみると、離陸滑走距離、飛行場内における機体の回転、駐機スペースを考慮すれば、運用可能な基地数、展開地数に大きな差分があることは明らかだ」と述べるなど、実運用の視点でみると、KC-46Aは様々な利点があることに言及した。
マーティン氏は米空軍に25年間在籍し、KC-10とKC-135を日本に幾度も展開した。さらに、航空自衛隊がKC-767を導入にも係わり、退役後、ボーイングの教官として小牧基地に約1年間、搭乗員の教官を務めたこともある経歴の持ち主だ。そのマーティン氏は「ボーイングは日本ならびに日本政府に感謝する。70年以上の関係を有し、我々としては日本の防衛に資する支援をすることに非常に誇りを抱いている」と話し、長年の絆にあらためて謝意を表明。「米空軍としては中強度の脅威下で運用可能な機体として開発したものであり、我々としては米空軍と共に航空自衛隊に、この新たな空中給油機の運用を支援していく」とした。
ボーイングは現在、KC-46Aを計93機にオペレーターに納入済みだ。このうち米空軍には既に7つの基地で89機運用しており、航空自衛隊が4機を運用中だ。航空自衛隊は来年、あらたに5号機と6号機を受領する計画で、KC-46Aフリートが6機体制に拡大する。
今後、KC-46Aフリートはさらにグローバルに拡大していく見通しで、「将来的には最大250機が運用される見通しだ。世界中に展開されていく観点を踏まえつつ、我々は運用者の維持・整備を継続的に支援していく」と話すなど、およそ40年間におよぶ長きに亘る今後の運用を支えるべく、ボーイングも維持・整備を継続していく考えを明かした。
※この記事の概要
・相次ぐ政情不安、相互運用が鍵に
運用柔軟性を強調
・不具合改善向け投資・新たな能力を提供
RVS2.0は26年第3~第4四半期頃実装
・性能・貨物搭載諸元ソフトウェア改善
・スト発生で空自5・6号機への影響は如何に
767貨物機生産中止、コスト増か など