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24年度上期の緊急発進358回、中国機63回減に
ロシア機へ241回、周辺の活発な活動に警戒
統合幕僚監部は、今年度上半期(2024年4月1日~9月30日)に自衛隊が行った対領空侵犯措置による緊急発進の回数が358回で、前年同時期よりも66回減少したことを発表した。対象となった国・地域の割合は推定を含め、中国の航空機に対する発進が全体の約67%と圧倒的に多く、ロシア機への対応は約32%となった。8月には中国機による領空への侵入と、9月にはロシア機による侵入事案が発生するなど、緊急発進回数が減少したものの中国およびロシア機による活発な活動が続いており、防衛省・自衛隊では引き続き日本周辺の警戒を強めている。
統幕によると、中国機に対する緊急発進は今年度上期中に241回行っており、前年同期に比べて63回減少した。一方ロシア機には緊急発進を115回行っており、前年同期と比べて5回増加した。どちらも情報収集機を多く飛行させており、情報収集機に対して最も多く緊急発進を行った。全体として緊急発進の回数自体は減少したが、中国機・ロシア機とも頻繁に緊急発進を行うようになった13年度以降の水準としては平均的な回数になる。また以前よりも中国機に対する緊急発進回数が減少傾向となったが、これは中国軍の練度向上によって自衛隊機の緊急発進の影響を受けない空域で訓練を行っているためだという見方もあり、中国軍はより活発に活動しているとして警戒する。
※図=中国・ロシア航空機による飛行パターン(提供:統合幕僚監部)