ウイングトラベル
海外旅行復活と真の双方向交流実現へ協働
大畑OTOA会長、旅行業界の変革始まる
日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は恒例の新年賀詞交換会を1月8日に開催し、29カ国の駐日大使をはじめ、旅行会社、各国・地域観光局、サプライヤー、関連団体などから多数の関係者が参集した。大畑貴彦OTOA会長は、旅行業界関係者との「協働」を通じて、海外旅行の復活と真のツーウェイツーリズムの実現を目指していくことを強調した。
大畑会長は、まず前日の1月7日から導入された出国税「国際観光旅客税」について触れ、税収が「国策としてインバウンドを主体とした税の使い道がほとんどであることは十分に理解しているが、インバウンド、アウトバウンド双方からの税を徴収することを考えると、日本人のアウトバウンド拡大に資する活用には、今一つ負担者の理解が得られ難い」と指摘した。
その上で、「アウトバウンドの施策に対して安直に税を要求するのではなく、業界とともに知恵を絞り、負担者から納得が得られ、先進性と費用対効果が高い取り組みを熟考し、効果的な施策を打ち出し、現実化へ努力する覚悟だ」と述べた。
また、ランドオペレーターとして、業界全体による安全情報共有プラットフォームの構築が必要として、それには「OTOA独自のネットワークの活用は不可欠」と強調した。
海外旅行の推進については、JATAアウトバウンド促進協議会にOTOA会員も協働し、2020年の海外旅行者2000万人を目指して、ともに活動していく方針を示した。
※写真=大畑貴彦OTOA会長
田端観光庁長官、アウトバウンド施策進める
路線就航、増便でデスティネーション開発を
これを受けて、来賓として登壇した田端観光庁長官は、「国土交通審議官の時は官邸で外交関係の仕事に携わっており、各国を訪問した際に、日本人に来てほしい、航空便を増やしてほしい、もっと地方を訪れてほしいなどの要望が多々あり、外交にとってアウトバウンド政策が重要であることを改めて認識した」と述べ、冒頭からアウトバウンドの重要性を指摘した。
「日本人旅行者の訪問が首脳外交でも出る。日本人が多くの国を訪れ、日本人、日本を知ってもらうことで、相互理解が深まり、相互交流の実現が日本国にとって重要」と強調した。
※写真=田端浩観光庁長官
田川JATA会長、海外旅行2000万人へ正念場
官民一体でアウトバウンド新時代を切り開く
海外旅行の安全・安心についてはOTOAと協力して取り組むことを改めて強調し、「日本人の国民性を踏まえて仕組みづくりをしていきたい」と述べた。
田川会長は、「今年はラグビーワールドカップ、G20サミットだけではなく、各国との周年事業が多く、節目の年と捉えている。2019年は海外旅行者1900万人を2000万人に近づけるかどうかの正念場の年となる」と2019年の重要性を強調した。
※写真=田川博己JATA会長
マゼンクANTOR新会長、海外旅行の魅力訴求
旅行業界と具体的計画、プロモーション実行
乾杯の挨拶には、1月1日から駐日外国政府観光局協議会(ANTOR-Japan)の会長に就任したフレデリック・マゼンク・フランス観光開発機構在日代表が立った。マゼンク会長は、 「日本人の若い人が海外の治安を気にすることはよく分かるが、海外旅行の素晴らしさ、人生のプラスになることを知ってほしい。海外旅行に興味を持ってほしい」と訴えた。
マゼンク会長は、「2019年は旅行業界と一緒に、具体的に実現できる計画、プロモーションを実行したい。それにはOTOAの力が必要」と述べ、海外旅行の素晴らしさ、海外旅行の発展を祈念して乾杯した。
※写真=フレデリック・マゼンク駐日外国政府観光局協議会(ANTOR-Japan)会長