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2019.01.09

ウイングトラベル

「旅行業100年、一番の群雄割拠の時代に」

田川JATA会長、旅行業や業法のあり方検討も

 日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長は、1月8日の新春記者会見で、「旅行業100年の歴史の中で、一番の群雄割拠の時代に入った」とした上で、「大手や中小がそれぞれに自社のオリジナリティをどう作るか。捨てるものは捨て、売るものは売る。オリジナリティの高いガバナンスを求めたい」として、独自性の追求と旅行業の変革の必要性を強調した。とくに、インターネット販売が拡大し、「OTAの利用率が50%近くなる中で、手数料ビジネスかフィービジネスかを決める必要がある」として、旅行業のあり方や事業基盤を再検討する必要があるとの認識を示した。
 その上で、「旅行業法も今の一本の筋で対応できるのか。OTA、手配旅行を含めて縦軸が複雑になった時に、横軸となる制度、法律をどう改革するかは業界団体の大きな仕事だ」と述べ、旅行業のあり方と旅行業法のあり方をセットで検討していきたい考えを明らかにした。まずは業界自らが旅行業を巡る環境変化や課題などを整理し、旅行業のあり方や事業基盤などを検討すべく、2月にもJATAとして検討を開始したい考えだ。
 田川会長は、「旅行業は2種類の組織を持ってきた」として、一つは手数料を収入源とする旅行代理店業、もう一つはサービスに対する対価をフィーとして収受するメーカー的な仕事の2つだとした上で、旅行業の立ち位置は「自分で根付けして販売するメーカー的な仕事に移りつつあるのではないか」との見解を示した。
 また、海外では先行して手数料の削減や撤廃が進んだが、「国内は圧倒的に手数料」として、宿泊施設や航空会社からの手数料収入があり、国内旅行の取り扱いが多い大手旅行会社は手数料ビジネスとフィービジネスの2つが共存してきたと指摘。ただ、国内でもOTAの利用が増え、場貸しサイトは広告料でフィーを収受するなど、国内でも手数料減少やフィービジネスの増加などの市場変化に直面しているとした。
 田川会長は、変革の方向性について、「大手の変え方、中小企業の変え方、小企業の変え方はそれぞれに違う。会員制ビジネスなども出てきている。各企業が自社のオリジナリティをどう見るのか。それぞれ特徴が出てきた。その意味では、旅行業100年、一番の群雄割拠の時代に入った。オリジナリティの高いガバナンスを求めたい。捨てるものは捨て、売るものは売る。ガバナンスとして、オリジナリティをどう作るかが生き残り策になる」として、旅行各社が独自性を発揮するための創意工夫とさらなる奮起を促した。

 

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※写真=田川博己JATA会長