美味しいヨーロッパ Gastronomy Journey ③
フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、
ポーランド、ギリシャ
ラップランド地方では、ステーキやスモークミートなど、トナカイ料理が有名。特に夏の白夜の時期は、太陽が沈まない特別な体験と、広大な自然を楽しむことが可能。冬のオーロラの時期を避けることで、ゆっくりと滞在できるメリットがある。また、この地に住むサーミ族の文化体験、ハイキングやベリー摘み、サウナなどのアクティビティを通じて、フィンランドのサステナブルなライフスタイルを体感できる。地元の人たちのホスピタリティーも心地良さを与えてくれるだろう。ヘルシンキ国際空港からラップランド地方の3空港(ロヴァニエミ、キッティラ、イヴァロ)へ飛行機で約1時間15~30分。
www.laplandhotels.com
wildernesshotels.fi
santashotels.fi
カマ(Kama)とは、大麦またはオーツ麦・ライ麦・エンドウ豆を、粉砕し粉にしたもの。エストニアの国民食と言われるほど、エストニアならではのスーパーフードとして知られている。ケフィアやヨーグルトに、カマと砂糖を入れて飲むのが一般的で、写真はカマクリーム(Kamavaht)と呼ばれるカマをクリーム状にして食べるデザートで、ゼリーに添えて提供されている。タリン市内の伝統料理を提供しているレストランなら食べることができる。素材として欲しい方は、大抵のスーパーマーケットで手に入る。
ラトビアの国民食であるグレイピース(灰色エンドウ豆)は、種子を乾燥させたもので、ラトビア全土で生産されている。18世紀から続く栽培の伝統があり、EUの保護産品にも登録されている。民間伝承では富と活力を象徴する食材とされており、特に冬に人気のあるグレイピースとベーコンの料理は、ボリューム満点で食べ応えがあり、体の芯から温まり、冬を乗り切るエネルギーが湧いてくるだろう。クリスマスの定番料理としても親しまれている。
キビナイはトラカイの名物料理で、14世紀末にクリミアから移住したカライム人によって伝えられた。カライム人の末裔は今も独特な文化と風習を守り、トラカイの湖畔にはキビナイを楽しめるレストランが建ち並び、料理作りのワークショップも体験できる。トラカイはビリニュスから西に位置する湖水地方の自然豊かな町。14~15世紀にはリトアニアの首都が置かれた歴史的な地で、赤レンガのトラカイ城は人気のフォトスポット。夏にはジャズフェスティバルやコンサートが開かれ、冬には湖が凍りその上を歩くことができる。ビリニュスからは電車やバス、車で約30分。
www.trakai-visit.lt/en
バゲットのようなパンにチーズ、キノコ、ハム、トマトソースなどを載せてオーブンで焼く、ピザの原型とも言える簡素で美味しい料理。1970年代に安価な軽食として誕生し、ストリートフードとして親しまれてきた。クラクフのカジミェシュ地区には、昔ながらのザピェカンキを味わえる「Okraglak Kraków(オクロングラク・クラクフ)」というフードコートがある。同地区は旧ユダヤ人街として知られ、ユダヤ人墓地やシナゴーグ、シンドラー博物館があり、おしゃれなカフェやギャラリーが集まるクラクフの文化と芸術の中心地もある。
イェミスタは、トマトやパプリカなどの野菜に米、ハーブ、時にはひき肉を詰めた風味豊かなギリシャの伝統料理。詰め物にはタマネギ、ニンニク、パセリ、ミントなどが使われ、野菜に詰めた後、柔らかくなるまで焼く。焼き上がったイェミスタは、ジャガイモやフェタチーズと共に熱々で提供されることが多い。野菜の甘みとひき肉のうまみを吸った米がふっくらとして美味しく、オーブンさえあれば日本の家庭でも簡単に作れるヘルシーな一品。年間通して食べられるが、野菜が美味しい夏は特におすすめ。
www.visitgreece.gr/experiences/gastronomy/traditional-cuisine/veggie_suggestions_while_in_greece/
←前のページ「美味しいヨーロッパ Gastronomy Journey ②(ドイツ、スイス、イタリア、チェコ、ハンガリー、オーストリア)」