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2019.01.11

WING

月面リゾートビジネスは成立するか?

一泊あたり4億円!?、国内有識者らが検討

 

 月面のリゾートホテルからワイン片手に光輝く地球を眺める。そんな日がそれほど遠くない将来に訪れるようとしている。月面で事業を展開するとすれば、一体、どのようなビジネスモデルとなるのか。民間で将来の宇宙開発や宇宙空間における事業を想定した有識者たちが、2040年頃の世界を想定して、月面リゾートのビジネスモデルを検討した。その月面リゾートのターゲットは、保有資産50億円を超える超富裕層。一泊当たりの宿泊費は驚きの4億円だ。
 およそ庶民に届くはずのない価格設定だが、宇宙リゾートの黎明期にあっては致し方ないものか。有識者たちが行った試算は、現状の技術や今後の技術革新を期待した、あくまで想定の域を出ないものではあるが、なかなかに興味深い。

 

 宇宙観光競争時代はすぐ目の前に

 

 様々なシンクタンクなどで2040年頃の宇宙開発の市場規模は100兆円から300兆円に達するとの試算が打ち出されている。新たに登場しつつある宇宙資源探査が最大の市場になると予測されているが、宇宙観光市場も注目されるところだ。既に米国では宇宙ホテルの建設を試みる企業が登場している。当初は弾道飛行による宇宙空間の体験というレベルに留まるだろうが、リチャード・ブランソン氏率いるヴァージン・ギャラクティック社が初の有人宇宙飛行に成功し、商業ベースの宇宙旅行が実現に向けて大きな一歩を踏み出した。さらにはZOZOの前澤友作社長のように、スペースXのロケットで月旅行へと飛び出すことを決めた人もいるなど、そうなってくるといよいよ月面リゾートは現実味を帯びることになるだろう。
 日本でも宇宙旅行時代に乗り遅れまいと、こうした面白いスタディを行っているのは三菱総合研究所を中心に、国内の大手企業、宇宙ベンチャーなども参加するフロンティアビジネス研究会。月面リゾートについては、清水建設、大林組といったデベロッパーのほか、蘆田鴨人建築設計事務所、三菱電機、有人宇宙システム、そして凸版印刷らが検討を重ねた。
 これらの有識者たちで結成したワーキンググループでは、2040年頃には宇宙開発市場規模は300兆円に達していることを前提として、その際の月面リゾート事業を考えた。

 

※写真=月面リゾートが建設される日も近いか?有識者らが月面リゾート構想を検討(提供:JAXA)