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2024.12.25

WING

運輸安全委、海保機・JAL機衝突事故経過報告書を公表

 3つの要因重なり事故発生か、要因生む事項を詳細調査

 

 今年1月2日に羽田空港34R(C滑走路)で発生した日本航空(JAL)機のJA13XJと海上保安庁機(JA722A)の衝突事故に関する事故調査途中経過報告書を公表した。
 このなかで運輸安全委員会は事故発生に至った要因について、①海上保安庁機は航空管制官から滑走路への進入許可を得たと認識し、滑走路に進入し停止したこと、②東京飛行場管制所は海上保安庁機が滑走路に進入していたことおよび滑走路上に停止していたことを認識していなかったこと、そして③JAL機は滑走路上に停止していた海上保安庁機を衝突直前まで認識していなかったという、3つの要因を挙げた。これらの要因が重なったことが最終的に衝突事故に繋がったという見解を示した。運輸安全委員会は今後、各要因についてより詳細な調査を行い、事実関係を明らかにして分析を進めていく構え。
このうち「要因①」に繋がる可能性のある事項として海上保安庁機の離陸順位が1番であることを意味する指示があったことのほか、海上保安庁機の機長が「No1」「C5」とのみ復唱確認したこと、海上保安庁機は誘導路C5付近からの離陸を指示されたため、離陸準備を急ぐ必要があったこと、そして滑走路進入時に羽田基地通信室の通信士から無線通信が入ったことなど、分析を進めていく。
 「要因②」に関しては海上保安庁機が正しく復唱し、指示通り誘導路C5へ曲がったことをタワー東が視認したこと、タワー東は管制官同士の通話による他の航空機に係る調整、JAL機の監視等を行っていたこと、 滑走路専有監視支援機能の注意喚起が発動していたが、タワー東がそれを認識しなかったことなどの事項を分析していく方針だ。
 そして「要因③」の観点では、事故発生時は日没後で月も出ていない状況であったことのほか、海上保安庁機の後方の外部灯火が位置灯(白)等であり、滑走路面の灯火も中心線灯(白)等が点灯していたこと、副操縦士は社内資格取得のための訓練中であり、機長とセイフティー・パイロットとの3名で乗務していたことなどについて調べを進めていく。

 

※写真=運輸安全委員会は1月2日発生したJAL機と海保機の衝突事故の経過報告書を公表

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