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2019.01.25

ウイングトラベル

若者のアウトバウンド「応援プログラム」策定へ

官民の取組結集、JATAの若者海外体験も支援

 観光庁は1月24日、「若者のアウトバウンド推進実行会議」の初会合を開催し、若者のアウトバウンド促進に向けた国民的ムーブメントを醸成するため、関係省庁や幅広い民間の取り組みを集約した「応援プログラム」を2019年度中に策定し、戦略的に広報していく方針を確認した。また、中核的な事業の一つに日本旅行業協会(JATA)の「20歳初めての海外体験プロジェクト」を位置付け、推進実行会議として支援していく方針だ。当日は、JATAから同プロジェクトの進捗状況が説明され、3月末にも公式ウェブサイトで参加者の募集を開始する方針が示された。
 観光庁は同会議の設置にあたり、アウトバウンドを振興する意義として、「『観光先進国』実現のためには、双方向の人的交流を拡大させることが重要であり、このためにはインバウンドのみならず、アウトバウンドの振興も必要」として、相互交流の重要性を掲げた。
 日本の観光の現状をみると、インバウンドは急増して2018年に3000万人の大台を達成した一方で、アウトバウンドは2000年以降横ばい、低迷が続いており、2018年は2012年実績をようやく超えて1895万人と過去最高を更新したものの、いまだに2000万人の壁を超えられていないのが実情だ。なかでも20代の若者の出国者数は、人口減少もあって、20年前の約450万人から約300万人に約33%減少している。
 相互交流のアンバランス拡大を受け、二国間関係では一部の国から強い送客要請が発生している。また、グローバル人材育成の観点でも、若者の海外体験の減少は社会人として成長するきっかけを失わせるだけでなく、地域や社会の将来への影響も懸念される点などが「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」でも指摘されている。
 冒頭挨拶した永井一浩観光庁参事官(旅行振興担当)は、「日本はインバウンドが急増している一方で、アウトバウンドはほぼ横ばいと、アンバランスが生じている。また、グローバル人材の育成の観点からも、アウトバウンド促進は重要」として、「様々な機関で若者を海外に出すための応援施策が展開されており、一つの応援プログラムとしてまとめて発信していきたい。また、JATAの『20歳初めての海外体験プロジェクト』に関する取組も、非常に重要な取組だと考えており、関係機関には引き続き支援をお願いしたいほか、その結果を分析、発信し、効果的なものにしていきたい」と述べた。

 

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※写真=「若者のアウトバウンド推進実行会議」の初会合

 

※写真=永井一浩観光庁参事官(旅行振興担当)