ウイングトラベル
★地域と世界を結ぶ懸け橋になる旅行業界の役割とは

数字上は復活を遂げた訪日旅行が抱える次なる課題
2月27日からオンライン配信が行われている日本旅行業協会(JATA)の「JATA経営フォーラム2025」では、近年の訪日需要に対する取組みと今後の展望について「地域と世界を結ぶ懸け橋となるために旅行会社に求められる役割とは」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
2024年に訪日外客数、消費金額が過去最高を記録し、数字の上では完全復活を遂げた訪日旅行。しかし観光立国推進基本計画にも掲げられている「地方誘客促進」の実現にはいまだ課題が多く、観光産業が一丸となり、世界から選ばれる日本となるための「協調」、並びに地域発コンテンツを確実に世界に届けるための「共創」が不可欠だとされている。
そこで今回は訪日旅行における「協調」と「共創」を実現させるために何をするべきか、モデレーターに松本大学名誉教授の佐藤博康氏を迎え、東北観光推進機構紺野純一理事長、日本旅行常務取締役兼執行役員グローバル戦略推進本部長喜田康之氏、東武トップツアーズインバウンド事業推進部顧問磯康彦氏の3人のパネリストと共に、旅行会社に求められる役割や需要拡大によって生まれた新たな課題について議論した。
官民一体となって誘客と地域発展を目指す
海外での観光誘客活動も積極的に
冒頭で現在の訪日客数や宿泊数などについての現状を述べた佐藤名誉教授は、「勢いに乗っているように見える訪日旅行だが、実は都道府県別の訪日・日本人の宿泊数のデータを分析していくと、全国平均を上回っているのはわずか8都道府県のみで、16県が2019年を下回っている。つまり都市部への集中と格差がますます広がっているのが現状だ」と述べ、このままでは、観光立国推進に掲げられている観光の質的向上を象徴する3つのキーワード「地方誘客の促進」「持続可能な観光」「消費額の拡大」の実現は難しいという見解を示した。
この現状を踏まえて、パネリスト達は実際に行っている地方誘客の取組みについて、意見交換を行った。
※画像=「JATA経営フォーラム2025」の訪日旅行に関するパネルディスカッション、左からモデレーターの松本大学名誉教授の佐藤博康氏、東北観光推進機構紺野純一理事長、日本旅行常務取締役兼執行役員グローバル戦略推進本部長喜田康之氏、東武トップツアーズインバウンド事業推進部顧問磯康彦氏