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2019.01.30

WING

ANAHD第3四半期決算、売上5.2%増で第3四半期最高

燃油費増と品質面の支出で減益、経常5.9%減に

 ANAホールディングス(ANAHD)が発表した2019年3月期第3四半期決算(2018年4月1日〜12月31日)は、国内・国際旅客および国際線貨物事業で堅調な需要を確実に取り込み、売上高が前年同期比5.2%増の1兆5684億円となって、第3四半期として過去最高となった。しかし、燃油費の増加や品質に関わる支出を行ったことで、営業費用は6.6%増の1兆4118億円になり、利益ベースでは営業利益が5.6%減の1566億円、経常利益が5.9%減の1541億円となって、四半期純利益は30.2%減の1068億円となった。
 会見したグループ経理・財務室長兼財務企画・IR部長の福澤一郎氏によると、上期に度重なる自然災害や、ロールスロイス社製エンジン点検整備に伴う欠航影響があったものの、旅客事業および国際線貨物事業が堅調だったため、第3四半期最高の売上になったという。しかし、費用面では燃油市況価格の上昇によって燃油費が328億円増加。さらに、中期経営戦略でも示した安全、品質、サービスの総点検の年として支出が膨らんだとのことだ。
 利益面では、前年同期に比べて減少となったが、営業利益額については前年度に続く過去2番目になる。減少については、上期の自然災害影響で減益基調が続いたためだという。しかし第3四半期単独の2018年10〜12月は、各営業施策が奏効して「営業利益が514億円、5億円の増益に転じた」として、需要の取込が成功していることを説明した。また、前年度にはピーチ・アビエーションの連結子会社化に伴う株式評価洗い替えによる特別利益338億円を含む、439億円の特別利益を計上したが、今期は全日本空輸に対して提訴されていた、太平洋線の独禁法に関連した米国の集団訴訟が和解に至ったとして、特別損失65億円を計上することになった。