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第222回「日本が危ない」80年の米国頼みにピリオドを打て

米高官らまさかの情報漏洩
なぜリベラル誌がグループに
かつて日本の情報保全は問題だと度々クレームをつけてきた米国だが、その米国でホワイトハウス高官による情報漏洩が起きた。米軍がイエメンの親イラン武装組織フーシー派を攻撃する直前、政権高官らの使うチャットグループに、よりによってリベラル雑誌の編集長を誤って入れてしまったのだ。政権発足直後は順調にスタートしたかに見えたトランプ政権だが、前代未聞の情報漏洩に揺れている。
米誌ザ・アトランティックの編集長ジェフリー・ゴールドバーグは3月11日、突然、「マイケル・ウォルツ」と名乗るユーザーから接続リクエストを受け取った。「マイケル・ウォルツ」とは、ホワイトハウスの大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と同姓同名だ。
ゴールドバーグはペンシルベニア大学卒業。イスラエルとの二重国籍を持ち、イスラエル軍に従事したこともある。ワシントン・ポスト紙、ニューヨーカー誌などを経て2016年からザ・アトランティックの編集長を務めている。現在は二重国籍ではないというが、経歴からみると明らかにリベラル系の記者だ。リベラルメディアと対立してきたトランプ政権だが、「ウォルツ」とみられる人物は、誰かと間違えてゴールドバーグを招待したのかもしれない。
シグナルは暗号ソフト開発者モクシー・マーリンスパイク(本名マシュー・ローゼンフェルド)を中心とするオープン・ウィスパー・システムズという非営利団体によって開発され、2014年7月からスタートした。いまではワシントンの政治家、議会スタッフ、政府職員、あるいは政府を批判する活動家らに広く使われるようになった。
詳細にイエメン攻撃解説
謎が深まる招待の理由
そうしたなかで起きたのが今回の漏洩問題だ。13日には「Houthi PC small group(フーシーPC小グループ)」というシグナル上のチャットグループに追加された。