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成田A滑走路夜間規制緩和、19年冬にも開始
松本取締役、LCC拡大や中東トランジット拡大に期待
成田国際空港会社(NAA)の松本大樹取締役は2月1日の会見で、成田空港のさらなる機能強化として先行して計画してきたA滑走路の夜間飛行制限の緩和について、2019年冬ダイヤから開始する可能性が高いと言及した。A滑走路の夜間飛行制限が緩和されれば、これまで23時までとなっている発着時間がA滑走路のみ24時まで可能になる。この制限緩和によって、LCCや中東便などの利便性が特に高まることになる上、欧州接続もスムーズになるとして、成田の更なる発展に期待感を示した。
このA滑走路の時間延長によって、発着便の増加が期待される。単に発着時間が24時まで伸びるだけではなく、従来22~23時に設定されている便数制限も緩和されることになる。具体的には、これまで22時台はA・B滑走路それぞれ10枠ずつまで発着が制限されてきたが、緩和によってA滑走路では通常の34枠まで拡大できる。一方のB滑走路は10枠のまま。23時台は、同じくA滑走路で34枠拡大可能になり、B滑走路は運用終了。そのため、緩和後は22時台で24枠増、23時台で34枠増となって、新たに58枠で就航が可能となる。
その際の増便は、春に行われる予定の発着調整会議で決定することになる。そのため航空会社は、発着調整会議へ希望する便を申請して、新たな時間帯の発着便を獲得することになる。A滑走路で24時まで発着が拡大することで、特に期待できるのが、LCCの増便だ。例えば23時台に成田を出発する国際線を設定すれば、早朝時間帯に復路便の運航が可能となって、航空機の運航率を高めることができる。
さらに方面別でいえば「中東方面の就航が期待できる」とのこと。成田では、ドバイなどへ向かう中東便が夜の時間帯に出発している。しかしそれでは、中東への到着時間が深夜から早朝の時間帯になってしまうため、使い勝手の悪さが目立つ。また、日本から中東へ出発する旅客の多くは、トランジットで目的地が欧州方面となる。そのため中東到着後は、空港で乗継便を長時間待つことになってしまう。中東便を運航する航空会社にとっては「接続を改善したかたちで欧州へ乗り継げるダイヤ設定にしたいはず」だということで、中東便拡大が期待できるとした。
また貨物便の増便も考えられる。集貨の時間を1時間遅らせることができるため、貨物便は特に利便性が高まることになるとのこと。加えて既存便でも本来22時台、23時台に飛びたかった便がスケジュールを変更してくることも想定されるという。
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