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防衛研究所、中国の国際秩序改編を警戒
中国安全保障レポート、関係地域の現状など分析
防衛研究所はこのほど、中国の安全保障や軍事行動について独自にまとめた「中国安全保障レポート2019」を発表した。今回は“アジアの秩序をめぐる戦略とその波紋”と題して、中国の一帯一路構想をはじめとした対外戦略がアジア地域に与える影響などを分析した。同研究所による中国対象の年次レポートの刊行は、2010(平成22)年度創刊から数えて9冊目。毎年、中国の目立った安全保障動向などから見える状況や懸念事項などを示す。
この度刊行されたレポートでは、すでに中国が東アジア海域で強引な海洋進出を行っているが、さらにアジア地域秩序や、国際秩序の改編を試みていることが懸念されるとする。特に一帯一路構想では、途上国への政治的影響力を拡大して、中国にとって有利な秩序の構築を目指しているという。そこで日本の安全保障にとって、地域・国際秩序において中国が設定する目標と、それに向けた実行内容を分析することが重要になる。そのため、東南アジア、南アジア、太平洋島しょ国は中国の秩序戦略の受け手となっていて、なおかつ日本の「自由で開かれたインド太平洋」ビジョンと重なる地域。それら各国の現状・影響を分析する。
秩序改編目指す中国の対外戦略
ASEANの対外戦略、本質は「均衡」
中印関係は回復基調も、長期的には関係懸念
太平洋島しょ国は一帯一路歓迎、豪仏など警戒