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四者協、A滑走路夜間飛行制限緩和を19冬ダイヤから
騒音防止・地域振興促進で歩み寄り、開港後初の時間延長
成田空港周辺9市町、千葉県、国土交通省、そして成田空港会社(NAA)らで構成する成田空港に関する四者協議会(四者協)は2月4日、芝山町役場で会合を開催。この会合で四者協メンバーは、A滑走路の夜間飛行制限緩和の実施時期を、2019年冬ダイヤ(10月末)から実施することを確認した。この合意により、19年冬ダイヤからのA滑走路運用時間は、現在の23時までから1時間延長した0時まで拡大。NAAの夏目誠社長によれば、とりわけ機材稼働率を向上したいLCCや、集荷時間を延ばしたい貨物航空会社などが、23時台の枠の利活用を検討していることを明かした。なお、成田空港の運用時間延長は、悪天候ややむを得ない場合などの特例措置として0時まで離着陸可能なカーフューの弾力的運用は設定されているものの、恒常的に滑走路の運用時間を延長することは1978年の開港以来、その歴史上40年にして初めてのこと。
四者協は昨年3月の会合で、成田空港の更なる機能強化に合意していたものの、A滑走路夜間飛行制限の緩和については、その実施時期が未定未定となっており、昨年12月に開催した同協議会においても、反対意見など様々な意見が噴出、その結論を持ち越していた。そうしたなか、東京オリンピック・パラリンピック大会を万全の体制で迎えたい国やNAAらが空港周辺地域町の環境対策や地域振興などを、従来以上に騒音防止対策、地域振興策を推進していくことを表明。これに9市町が「苦渋の決断」などとして理解を示し、歩み寄りをみせたかたちだ。
A滑走路の夜間飛行制限の緩和に伴って、新たな発着枠が誕生することになる。具体的には、従来22時台においてA・B滑走路それぞれ10枠ずつまで発着が制限されてきたが、緩和によってA滑走路では通常の34枠まで増枠。23時台でもA滑走路で34枠拡大可能になり、22時台と23時台を合わせて新たに58枠の枠が生まれることになる。
この新たな枠については、今後の発着調整会議で話し合いが行われることになるが、夏目社長は「具体的なダイヤや便数は、スケジュール開始の半年前にならなければ出てこない」としながらも、LCCなどの需要に期待を寄せた。
NAA夏目社長、「重要な一歩」
「航空会社にアピールし最大限活用」
大きなハードル超えるも課題は山積み
遅い地域振興、格差問題など
※写真=四者協後の記者会見でA滑走路の夜間飛行制限緩和に合意したことを表明する成田市の小泉市長
※写真=NAAの夏目誠社長。夜間飛行制限の緩和は機能強化に向けた「重要な一歩」と歓迎