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日芬防衛相会談、防衛協力・交流覚書に署名
防衛技術、訓練教育等の分野で知識共有で合意
防衛省では2月5日、訪日中のフィンランド共和国のユッシ・ニーニスト国防大臣が防衛省を訪問し、岩屋防衛大臣と日フィンランド防衛相会談を行った。また会談に先立ち、「日本国防衛省とフィンランド政府との間の防衛協力・交流に関する覚書」に両大臣が署名した。フィンランドとの防衛相会談は2018年5月以来9カ月振りとのこと。
会談冒頭、岩屋大臣からニーニスト大臣の訪問を歓迎するとともに18年5月の会談からの早いペースで会談をうれしく思うと述べ、「フィンランドとは昨年に海上自衛隊練習艦隊のヘルシンキ寄港、河野統合幕僚長の訪問等象徴的な防衛交流が進展しており、両国の防衛当局の関係は深まりつつある」「2019年5月には日フィンランド外交樹立100周年を迎える記念すべき年に、ニーニスト防衛大臣と防衛協力・交流に関する覚書に署名できたことは、両国防衛当局の関係進展の象徴であり大変うれしく思う」と述べた。その上で「会談では18年末に策定した大綱・中期防を踏まえつつ、両国を取り巻く安全保障環境や今後のあり得るべき交流の方向性について率直な意見交換を行い、二国間の戦略的関係性を更に深めていきたい」と会談の方向性を説明した。
これに対しニーニスト大臣は今回の訪問受入れに対し謝辞を述べつつ、「(日本とは)外交樹立100周年であるが、今日訪問した東郷元帥の旗艦である戦艦三笠が戦った日露戦争の頃から、日本という国はフィンランドの歴史において非常に特別な関係性がある」と述べた上で、「1905年11月の独立運動にも日本とは軍事的な関係性があり、日本が5000丁のライフルがフィンランドの独立運動活動家に提供されたことで、ロシアに対しフィンランド独立の反旗を翻す一助となった。日本からは7万5000丁のライフルが密輸されており、日本の明石大佐がこの武器の提供に関わってくれたことで、ロシアは軍をもって活動家を鎮圧するという行動を取ることができなかった」などと述べて、フィンランド独立の過程で日本の軍事的援助があった事実に触れつつ、「覚書に署名できたことを大変うれしく思うとともに、フィンランドの防衛にとっては非常に大きなステップであると考える」とまとめた。
両国の防衛政策や北朝鮮対処等で意見交換
幅広い分野で防衛協力を深化することで一致
※写真=18年5月以来9カ月振りの日芬防衛相会談、外交樹立100周年の年に日芬関係をさらに深めることができた
※写真=「日本国防衛省とフィンランド政府との間の防衛協力・交流に関する覚書」に署名する両大臣
※写真=両大臣は防衛協力・交流を更に深化することで合意した