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2019.02.21

WING

エスペック、航空機関係の環境試験など受託好調

神戸試験場強化へ、電動化や空飛ぶクルマなど追い風も

 航空機や宇宙機開発など、様々な最先端技術の発展を支えている企業が、エスペックだ。同社は環境試験機器のトップランナーとして、日本国内の航空機・宇宙産業向けに多様な環境試験を提供している。そのエスペックでは、「日本国内では、航空機に関連した環境試験要望が高まっている」(エスペック社テストコンサルティング本部シニア・スペシャリスト:吉崎勝彦氏※崎は山編に「立」に「可」)として、航空宇宙産業に対する鼻息が荒い。
 昨今では、「航空機電動化や空飛ぶクルマなどの動きが盛んだ。新たに電子部品などの環境試験を必要とするニーズも高まってきている」として、新たな空のモビリティ開発という時流に乗って成長のチャンスが拡大しているほか、宇宙がビジネスフィールドとして脚光を浴びるようになっており、宇宙分野でも同社の設備を活用した試験ニーズが高まっていることを明かした。
 そうしたなかエスペックでは、「神戸試験場をできるだけエアロスペース試験場のような位置付けにしていくことを検討中だ」とし、今年後半に向けて航空機産業向けに新たな試験設備を稼働する予定で、日本国内メーカーの様々なニーズに応えることが可能な体制を強化する方針だ。
 「日本国内で、航空機関係の環境試験や信頼性試験を本格的に取り組んでいるところは少ない」ーーー。吉崎氏はこう話す。もともと装置メーカーであるエスペックは、様々な装置を独自に開発することに長けている。その強みを活かして、民間航空機あるいは軍用機の様々な規格や宇宙分野の要求に合致する試験を提供する能力を有している。
 「航空機関係では、着氷や火山灰など、気象環境に由来する事故防止に向けた試験ニーズが増加してきている」とのことで、エスペックでは、温度変化や振動、減圧、砂塵、ストレス試験など、様々な項目に対応した試験設備を有している。最近では宇宙の真空環境や月のレゴリス対策用の試験設備に対するニーズもあるようで、新たな装置の開発も視野に対応を図る。

 

2025年頃には売上高を10%以上に
将来はOEM認定試験場も

 

※写真=航空機需要の高まりや電動化、空飛ぶクルマなどの新たなツールによりエスペックの試験ニーズが高まっている。写真はボーイングの787組立工場