【潮流】Go Toと国際往来再開で「分配」を
衆議院が10月14日に解散し、各政党は19日の公示、31日の投開票の衆議院選挙に向けて、事実上の選挙戦に入った。10月4日に首相就任してからわずか11日後の14日に衆議院を解散した。選挙は何が起きるか分からないので、もし敗れたら岸田政権は歴史的な短命内閣に終わる。勝算があればこそ解散に踏み切ったのだろうが、唐突感は否めない14日の衆議院解散だった。
衆議院選挙に向けての与党、野党の政策論争を受けて、現役の財務次官が月刊誌で「バラマキ合戦」と批判し、それを経済同友会の会長が「100%賛成」と支持するなど、選挙は告示前から微妙なムードが流れている。
これまでであれば、野党が生活者第一、福祉対策を掲げて、与党側からその財源はどこにあるかといった「バラマキ福祉」の批判にさらされるのだが、岸田首相が自民党総裁就任、首相就任の会見で、「成長と分配」「新しい資本主義」を掲げて、これまでの経済成長優先、格差拡大の新自由主義を改め、公約に「分厚い中間層を再構築する」としたことで、話がややこしくなった。