【潮流】観光後進国に戻るのか
新型コロナウイルスのオミクロン株亜種による感染拡大が取り沙汰されているが、欧米はもとより世界各国は中国などを除いて、ウィズコロナによる経済社会活動を本格的に進めている。欧米と比べて、入国制限の緩和に慎重だったアジア諸国も4月を境に国際往来の自由化を打ち出してきた。
韓国は一時、オミクロン株による感染者が急増していたが、減速に向かったことを受けて、4月以降の入国制限の緩和を予定通り実施する。また、シンガポールもリー・シェンロン首相がコロナとの共存に向けた第一歩を踏み出すと発表し、海外からの旅行者の入国制限を緩和することを決定した。さらに、タイは4月1日から入国前のPCR検査の不要を決定した。
現状で、海外旅行するとなると、最大のネックは出国前のPCR検査による陰性証明の取得だろう。多くの書類の提出やオンライン申請も求められるが、価格は安くなったとはいえ、出国前のPCR検査は精神的にも負担が大きい。オミクロン株の感染と免疫獲得、ワクチン接種により、陰性証明の必要性も議論されることになろう。世界各国が出入国時のPCR検査を不要とすることで、国際往来の自由化が加速度的に回復することが期待される。